恐ろしい星

mayopuro

恐ろしい星

ここは惑星ウェルカ。

この宇宙戦争時代には珍しい、平和でとても豊かな星だ。

人々はこの平穏な空気の中、思い思いの生活を営んでいる。


私はそんな星の『防衛大臣』をやっている。

人々は気付いていないが、実は結構忙しい。


『ピコン、ピコン・・』

「大臣、敵が来たようです。タアク星の船のようです。」

「なるほど。じゃあ、準備しよう。」


「大臣、そろそろです。」

「よし・・」

私はいつもの看板を設置し、敵船との通信を開始する。

「・・ジジ・・ジジジ・・・こちらウェルカ星、聞こえておりますでしょうか。タアク星の皆様、ようこそウェルカ星へ!お待ちしておりました。豪華な食事もご用意しておりますので、こちらにおいでください!」

私は敵船に向かい、笑顔で両手を振った。

周りには煌びやかな衣装を纏い、笑顔で出迎える部下達が並ぶ。


「・・隊長!どうしますか・・?」

「こんなもの罠に決まっているだろう!食事だって毒入りに決まっている!」

「しかしあの辺りには兵器の反応も無いようですし・・」

「クッ・・噂にしか聞いた事が無いが、恐らくステルス技術というものだろう・・恐ろしい星だ・・。このままでは勝ち目が無い・・退却だ!」




『ようこそ!ウェルカ星へ!』の看板を回収している私に、新人が問う。

「大臣、用意した食事はどうするんですか?」

「もちろん私たちで食べるんだ。あんな美味いものが食えるんだから、毎日敵が来てくれたらいいのにな。」

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