あなたの心を離さないエルフの美少女なあの子 2 パワードスーツ ガイファント外伝
逢明日いずな
第1話 アンジュを語るジュネスとレオン
「ジュネスにいちゃん。 なんで、パーティーに誘う時、アリーシャ姉さんを先に誘ったんだよぉ。 あの時、アンジュとカミューだって、こっちを見ていたから、あれなら、誘ったら直ぐに了解を得られただろうに」
「……。 ああ、でもなぁ、お前、声を掛ける方の身になってみろよ。 お前は、シュレと一緒に居ただけで、何もしなかっただけだからいいけど、あれだけの美少女だぞ。 それも、話したこともない相手に、そう簡単に、声を掛けられるか」
「ふーん。 だったら、アリーシャ姉さんなら、大丈夫だったって事は、アリーシャ姉さんは、美少女とは言えないって事だったわけだ」
「おいおい、お前、なんで、そんな、意地悪そうな顔をしているんだ。 ……。 お前、今の話、アリーシャ姉さんに言うなよな」
「ふふーん。 そうだね。 言わない方が、いいよね。 きっと、3人から、迫られる事になるだろうから、言わないよ」
「ん? 何で、3人になるんだ? 話は、アンジュとアリーシャ姉さんの話じゃないのか?」
「ふふーん。 だって、今の話をしたら、シュレ姉ちゃんが、黙ってないと思うよ」
「あ、シュレか」
「にいちゃん、姉ちゃんの事、忘れてただろう。 アンジュが美少女だと、兄ちゃんが認めたんだぞ。 姉ちゃんが、絶対に妬くでしょ」
「……」
「兄ちゃんだって、ほーら、表情に出ている。 分かっているんだったら、黙っていたほうが、無難でしょ。 兄ちゃんのところで、仇が打てないと思ったら、絶対、その、とばっちりが、俺のところに来るのは分かっているんだから、下手なことは、姉ちゃんには言えないよ」
「ああ、そうだったな」
(けどさぁ、アンジュて、あの顔は、整い過ぎだろう。 小さな顔に切長の目に、それと、小さな鼻も口も、とてもバランスよく配置されているし、それに、あれは、絶対に、左右の対称性が、100%に近いだろう。 あれだけ、整った顔立ちの女子は、エルフでも珍しいだろう。 そんなアンジュが、あの時、俺を見ていたんだぞ。 恥ずかしくて、声なんてかけられるか! その位、レオンだってわかるだろう。 男なんだから)
「でもさぁ、アンジュって、本当に、美少女だよな。 なんで、あんなに整っているんだか、……。 神様は不公平だよなぁ。 俺は、カミューと連んでいるけど、2人とも、本当に美男美女なんだ。 カミューが男だと分かっていても、時々、ドキッとすることもあるんだ」
「ああ、エルフの男子は、珍しいらしいけど、本当にエルフは、美形が多いから、カミューも、まだ、子供のような体型だし、気がつくと、女子と間違えてしまいそうな時あるよな」
「うん、そうなんだよ。 せめて、もう少し、筋肉質だったら、カミューも男だと、直ぐに、見分けられるけど、今のようなヒョロヒョロだと、無理だよな。 あれ、女と間違えられて、触られたら、触った奴に同情するよ」
「ふふ、確かにな。 女だと思って触ったら、有るもの無くて、無いものが有るからな」
「それで、兄ちゃん。 何で、パーティーを組むとき、アンジュとカミューを通り越して、アリーシャ姉さんの方に、行ったんだよ。 あれ、絶対に2人に声を掛けにいったと思ったんだ」
「だって、アンジュが、睨んだように見えたんだ。 あれは、きっと、ただ見ただけだと思うんだけど、話したこともない相手が、俺を見ていたら、恥ずかしく、なって、しまった、んだ」
「へ、……。 ウソ! 兄ちゃんでも、そんな事、思う事あるんだ!」
「……。 おい、そんなに、笑うなよ。 俺だって、男なんだからな。 美少女エルフを見たら、声をかけるのだって、ハードルが高いんだよ。 それに、アリーシャ姉さんは、背が低かったから、てっきり、お前より年下だと思ったんだよ。 だったら、美少女でも、年下の女の子っぽい、アリーシャ姉さんの方が、ハードルが低かっただけだよ」
「……。 ごめん、兄ちゃん。 笑って悪かったよ。 そうだね。 確かに、アンジュとアリーシャ姉さんのどちらかと、初めて話すのだったら、アリーシャ姉さんの方が、ハードルが低かったかもしれないね」
「だろ」
「ふーん、でも、兄ちゃんにも、そんな、シャイな部分があったと思うと、すこい安心したよ」
「どういう意味だよ」
「だって、兄ちゃんと姉ちゃんって、いつも、同じベットで寝てるじゃん。 だから、兄ちゃんって、女に対して、凄い免疫を持っているから、どんな女だって、直ぐに落としてしまうかと思ってた」
「あ、あれは、シュレが転移してきた時からなんだ。 俺だって、転移してあんな大怪我して、死ぬ直前までいくような事になったら、そうなるよ。 お前は、俺達2人と、転移してからズーッと一緒だったから分からないだろうけど、俺は、最初の日は、ギルドの寮で1人だけだったし、翌日、初めて、シュレが転移してきて、2人しか居なかったんだぞ」
「ふーん、だから、心細かったというの? でも、兄ちゃん、1日目は、メイリルダ姉ちゃんと一緒に寝たって話だったじゃん。 メイリルダ姉ちゃん、兄ちゃんが、顔を胸に押し付けて、寝てたって、それで、起きたら、ヨダレで濡れてたって、話してくれたよ」
「な、な、なに、何を、言って、いるのかな。 レィオーンパード」
(やば、兄ちゃん、本気で怒った。 にぎゅぇ〜〜〜っ!)
「兄ちゃん、尻尾! 尻尾は、掴まないで!」
「れ〜お〜ん。 今の話は、なんで、知っているのかなぁ」
「い、いや、そ、その、メイリルダ姉ちゃんに、ちょっと、き、ききました」
「忘れろ!」
(やばい、それに、痛い。 尻尾、痛い。 本当に、限界を超えている)
「わ、わかった。 にいちやん。 ぜ、絶対に、誰にも言わない。 だから、尻尾から、手を離して。 お願い」
「いいだろう。 だが、今の話を、他にしたら、分かっているだろうな」
「う、うん。 も、もち、もちろんだよ。 もう、忘れたから、だから、お願い、尻尾から手を離して!」
(あー、やっと、離してくれた。 はー、もう、この話は、絶対に、誰にも言えないな。 尻尾は、毛が有るから分からないけど、これ、きっと、皮膚が青くなっているやつだ)
「ごめん、兄ちゃん。 もう、今の話はしないよ」
「ああ、そうしてくれ」
(……、人には、声に出してはいけないことが有るんだな。 ……。 ハァ)
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