第17話 今度会えたら……(2/2)
「行けーーー!!」
アンジュのゴーサインとレオの声が重なった。ゴムを押さえていた手を
シュッ!
レオは空に向かって飛行機を放った。
向かい風に乗って、飛行機はぐんと空へと
(やった!)
アンジュを乗せた飛行機は、どんどん遠ざかっていく。自分たちの作った飛行機が
すごいすごい!
ああ、でもこれでお
ちょっとだけ、さみしいな。
その時。
ザザザッという音と
「うわっ!」
「ええー!? なんでだよ!!」
目を
「なんでなんで!? 嵐はまだ来ないって言ってたじゃないか!!」
レオは両手を強くにぎりしめる。このままじゃ飛行機はまっさかさまだ。
「心配するな。これは嵐じゃない。ただの強い風だ」
「そんなんどっちでもいいよ! どうしたらいいんだよ! アンジュ、落ちちゃうよ!!」
レオは
こんな大変な
「あわてるなレオ! 信じよう! アンジュは風を読むのが
「ええ~!?」
信じれば、どうにかなるのかよー!?
「アンジューーー!! 体をかたむけて、立て直すんだーーー!!」
すると飛行機は空中で
「レオーーー!!」
アンジュの
「気がついたんだけどー! これがあればわたし、いつでも遊びに来れるねー!」
そして、また上昇気流に乗り、一気に空へと昇って行った。
「な……なに? 今の……?」
「飛行機を
じゃあ今のは風に飛ばされたんじゃなくて、それを見せるためにわざとやったこと?
心配したっていうのに?
(でもそっか。またいつか、会えるんだ。今度はぼくの作った飛行機に乗って)
「アンジュー!!」
レオは空に向かって
「また遊びに来るの、待ってるよー!!」
「今度来た時は、いっしょに“てんしんどん”を食べようー!!」
「てんしだけにー!」
小さく小さくなっていく飛行機に向かって、2人はコントを
「聞こえたかなぁ」
「どうだろうな。それより、見たか?」
「うん。アンジュ、元気な
見上げる真っ青な空には、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます