ILLEGAl PANCH
アカサ・クジィーラ
プロローグ-善と悪、陽と月
良い子ちゃん法。
それが制定され、あらゆる暴力が禁じられた。
殴る、蹴る、罵倒する、など。
要するに平和な世の中へ変わっていった。
やんちゃするものは減り、悪口も規制された。
そんな中、絶滅危惧種と化した暴力団組合。裏組織。今や都市伝説としてそれが蔓延っているようだ。
●悪が悪を制すヒーロー
西条雅也、主人公の名だ。父、母、妹との4人家族。ごくごく普通の暮らしをしていた。
そのはずだった。
とある高校2年の夏...
俺は2年でありながら、塾の夏季講習があり、それが終わって帰っていった。家までほんの二、三十分、自転車で漕ぐだけ。
さあ、家の目の前だ。なんだか、いつもと様子がおかしい。いつもなら、リビングの部屋があるところに光があるはず。防犯用の砂利もなんだか何人もいたかのように荒らされている。そして、いつも家族が家の中にいたとしても、玄関に鍵を閉めるはず。それが開いていた。
彼は恐る恐る中へ入る。血痕が無数に見える。嫌な予感。リビングに一体。台所に一体。2階の妹の部屋に一体。
彼は叫んだ。絶望と憎悪に包まれて...
■
それから、数年後...
彼は生まれ変わった。あの後の事は、警察が来て、おそらく暴力団組合だろうと...
こんな平和な世の中に一般人が殺人を犯すことは絶滅したはずだと豪語していた。
実際、その気持は嘘となる。
彼が復讐の想いに塗れた"殺人犯"になっていく。未だに残る悪を撲滅するために、悪が悪を制すために、彼は生きる。
死んだ家族のために...
●正義の名のもとを悪を滅すヒーロー
良い子ちゃん法により、上っ面な犯罪は消えた。上っ面な悪い事は消えた。でも、俺は悪は根絶出来るとは思わない。
霧野遠矢、もう1人の主人公の名だ。
彼は警視庁特別保安局0課-狂気者悪撲滅課に所属する。優秀な刑事5名で構成される。俺は、ここにいながら、この世界に疑問を持っていたのだ。
悪なんて滅びない
とある冬のこと、当時交際しており、将来を約束した彼女、七海真論とクリスマスデートをしていた。そのときの俺は"正義"なんて持っていなかった。
しかし、ある出来事が俺を大きく変えた。
都会に近い水上遊園地、トロピカルアイランド。
久しぶりの休暇を彼女と楽しく過ごした。しかし、あるとき俺は怪しげな黒尽くめの男を見つけた。俺は少し気にしながらも、彼女と過ごした。
-警官がいる。その女を連れて、警察に戦線布告だ
■
それからは早い。俺がたまたまトイレ行ってる最中、彼女は忽然と消え、電話がかかる。
『女を返して欲しけりゃ、警視庁トップを殺せ!』
俺はすぐに職場へ持っていた。しかし、平和ボケした警視庁はなかなか判断を決めない。だから、彼は自力で拉致した犯人を特定、彼女がいるとされるコンビナートのとある倉庫に向かう。だが、時すでに遅し。
『交渉決裂だな、霧野遠矢!』
バシュッと、首をハネ切る音が聞こえた。そして、かすかに聞こえた彼女の声...
『遠矢、ありがとう』
彼はすぐに駆けつけたが、彼女は首を無くしていた姿だった。犯人はもう逃げたのだろう。俺は泣き叫んだ。その死体を抱きしめながら...
■
俺はその後、愚かな警察を変えるべく地位を上げ続けた。そして、警視庁上流地位に君臨した。
そして、俺は特別課を作った。彼女を殺した犯人を見つけるために...
ILLEGAl PANCH アカサ・クジィーラ @Kujirra
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自己満詩集/アカサ・クジィーラ
★19 エッセイ・ノンフィクション 連載中 87話
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