(四)-7(了)

「死にやしないって。でも、死ぬ気でやらなきゃ、次の仕事はないんだよ」

 明はそう言うと立ち上がって、ズボンを履き、部屋を出て行ってしまった。


 翌朝、有紗は仕事に出かけた。明は昨夜出て行ったまま、帰ってこなかった。

 泊まりがけで撮影に行ってしまうことはあったけど、仕事以外の理由で、彼が部屋を空けることは、今までなかった。

 そして静まりかえった部屋に小さく「行ってきます」と言い残し、有紗は仕事に向かった。


(了)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

仕事中の電話 【い-14】文学フリマ京都_筑紫榛名 @HarunaTsukushi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画