(四)-7(了)

「死にやしないって。でも、死ぬ気でやらなきゃ、次の仕事はないんだよ」

 明はそう言うと立ち上がって、ズボンを履き、部屋を出て行ってしまった。


 翌朝、有紗は仕事に出かけた。明は昨夜出て行ったまま、帰ってこなかった。

 泊まりがけで撮影に行ってしまうことはあったけど、仕事以外の理由で、彼が部屋を空けることは、今までなかった。

 そして静まりかえった部屋に小さく「行ってきます」と言い残し、有紗は仕事に向かった。


(了)

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仕事中の電話 筑紫榛名@12/1文学フリマ東京え-36 @HarunaTsukushi

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