(四)-3

 しかし、まだどんな仕事か聞いていなかった。彼が希望するとおりの俳優の、役者の仕事であればいい。しかし、またスタントの仕事だったらと思うと、心配でたまらなかった。

「今度はどういう仕事なの?」

「次はついに映画に出演するんだ」

「セリフ、あるの?」

「ああ、もちろん」

「どういう話なの?」

「『嵐の戦場 ペリリュー島攻防記』っていう戦争の話だよ。蟹江監督がどうしても出て欲しいって」

「どういう役なの?」

「兵士の話だよ」


(続く)

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