(四)-2
「次の仕事、決まったよ」
有紗の予感は的中した。
この三ヶ月間、明は仕事をしていなかった。もちろん前の撮影での骨折のためだ。ギプスは一ヶ月ほどで取れたものの、その後ずっとリハビリを続けていたのだった。
その間有紗は安心していた。彼が夢を追うのはいいことだと思う。でも怪我をするような仕事はして欲しくなかった。この三ヶ月間、一言も口には出してこなかったが、遅かれ早かれ、そのこととは彼に伝えなければならない。有紗はそう覚悟していた。そしてその瞬間がいま訪れていると悟った。
(続く)
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