(一)-4

 大学を卒業して二年後、二人は同棲を始めてすでに一年以上が経った。付き合い初めてからは三年半経っていた。それにもかかわらず、二人の愛情は未だに落ち着くどころかまだまだ熱は冷めていなかった。

 そんな二人の話を聞くたびに弥生は「相変わらずお熱いのねえ」とあきれ半分うらやましさ半分で有紗に言うのだった。

 ともかく、そんな心配事について弥生から具体的な提案などがあるわけでもなく、話を終えると、お会計を済ませて二人は店を出た。もちろん、有紗だってその具体的な対策など聞きたいと思っていたわけではなかった。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る