第4話
中学校というのは、大人になって社会に出た時に感じる「あぁ。大人の世界にもこんなことがあるのか、こんな人がいるんだ」と思う、大人の世界にも の 「にも」に当てはまる場所だと思う。
私はそうだった。
結局あの場所でみんなと悩みを共有できなかった私は心を打ち明けたみんなほど仲良くなることはできなかった。
放課後や休みの日にグループ全員ではないにしろ遊んでいることを知るたびに少し悲しい気持ちになった。
私にも何か、なにかみんなに打ち明けれる悩みがないものか。
そうしたらもっと仲良くなれるのに。
「家族仲良しだよね」
みゆちゃんや、ゆりちゃん、ときえちゃんが私に言ったその言葉が私に劣等感を感じさせる。
だけどきっと、彼女たちにとっても私は劣等感を感じさせる存在だったのか。
次第に話すことも無くなった。
いつものグループから外れた私を心配する声も多かった。
「何かあったの?」
そう声をかけてくれたのは、ゆりちゃんの好きなごうくんだった。
「なにもないよ」
「じゃあ何でいつものみんなといないんだよ」
俺が言ってやる!
そう言って止める間もなく視界から消えていくごうくんがあの子たちに少し威圧的に注意しているのを横目にため息をついた。
こんな事が余計大きな何かに繋がるものだ。
ただただ話が合わなくなり一緒にいなくなっただけの私たちだったのに、私が標的になるのは一瞬だった。
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