スマホ依存

連喜

第1話 スマホ依存(小学生の場合)

 俺はスマホが嫌いだ。電車に乗っていると、多くの人はYouTube、Line、ゲーム、ネットニュースを見ている。通勤電車では画面が丸見えだ。Lineメッセージまでは見えないけど、動画は何を見ているかわかる。この間、若い男がボックス席でエロ動画を見てて、ちょっと笑った。見えないと思っても大体は見えてる。


 小学生の平均スマホ使用時間は1時間、中学生は2時間20分、高校生は3時間20分。全世代の平均利用時間は2時間くらいだったと思うけど、中学生、大学生だと1日5時間以上も使用している人が22%もいる。欧米だとさらに利用時間が多い。アメリカのティーンエイジャーは、1日9時間もネットに費やしているそうだ。


 俺は老眼で小さい字を読むのがしんどいから、Lineに返信する以外スマホはあまり使わない。俺が今学生だったらスマホを持ってないふりをするだろう。スマホに溺れている層を尻目に勉強に打ち込む。それで変人扱いされても別にかまわない。


 外食してても、子どもたちはスマホをいじっている。厳しい家庭だと、スマホは9時までなんて決めているから、子どもは外でやらざるを得なくなるんだろうけど、家族の団らんまでがスマホに奪われている。赤ちゃんもベビーカーに乗ったままスマホを見ている。大丈夫なのか・・・と、他人事ながら気になる。


 スマホは集中力を低下させ、利用時間が増えるほどうつ状態になりやすくなる。SNSは人間関係のトラブルや、無用なストレスを引き起こす。特に子どもはスマホの利用時間が増えることで、脳の機能が破壊されて、どんどん低能になって行く・・・というのを前にニュースで見た。俺自身も、最近、本を全然読まなくなって、漫画1冊読むだけでもかなりの疲労を感じるようになってしまっている。


 前置きが長くなったが、人から聞いた話を紹介したいと思う。

 適度なスマホ利用ができる人ならいいだろうけど、元々問題を抱えた人はスマホ依存になりやすい。


 某所に小学校5年生の女の子(Aちゃん)がいた。親が新品のスマホを買い与えた。ここまでは普通の話。周囲がみな持っていることや、本人から携帯ゲームをやりたいという希望があったからだ。他の小学生とちっと違うのは、Aちゃんは学校に友達が一人もいない子だった。これだけでも、ちょっと心配になる。


 1日目


 Aちゃんは両親とスマホを買いに行って、親がその場で子どもにiPhoneを渡した。利用時間の制限や閲覧制限はかけていなかった。子どもはすぐにパスコードを設定して、親が操作できないようにしてしまった。元々、iPadを持ってて、操作方法を知っていたからだ。ちなみに、親はiPhoneじゃなくて、ガラケーを使用していた。概して子どもの方が電子機器の操作に詳しい。一回やるとすぐ覚えてしまう。だから、子どもはすぐに親の手が届かない所に行ってしまった。


 夜9時までスマホを見ていたが、親が取り上げて寝かせた。


 2日目


 家に帰ってずっとスマホを弄っている。携帯ゲームをしている。夕飯を食べる間はゲームをやめろと言うと、夕飯いらないと言うので、夕飯を食べながらゲームをすることを許す。風呂でもゲーム。寝るまでゲーム。9時で終了。それから宿題をやって寝る。


 3週間目


 暇さえあればずっとゲーム。取り上げようとすると暴れるようになる。宿題をやらないで学校に行くこともある。土日は朝から晩まで1日13時間以上ゲームをしている。


 4週間目以降


 ずっとスマホを見ている。夜遅くまでスマホを見ているので、朝起きられず遅刻するようになる。塾をさぼり始める。学校が終わってもまっすぐ家に帰らない。スマホで知り合った人と会っていたようだったが、両親は正社員で自宅に戻る頃にはいるので気が付かなかった。


 1か月後


 学校に行かずに1日中スマホを見ている。親は仕事に行かなくてはいけないので、仕方なく家に置いていく。子供は1日中寝転がっている。


 親は子どもが寝ている間、スマホを隠した。


 すると、朝起きてスマホがないからと言って、子どもが暴れ出した。

 リビングにあった物を投げて暴れ、親に暴力をふるうようになる。

 包丁を持って暴れる。


 心療内科を受診。








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