(リメイク)付与術師のVtuber生活
@yumeria_akira
プロローグ
第1話 初めまして
『待機』
『初配信来れたー』
『ダンジョン系と聞いて』
『初の装備系Vtuberと聞いて』
『自己紹介動画見ました』
『ぽらりネキの紹介で』
『こちとらみことさんや!!』
『ん? ピヨッター始めたころから推しだが?』
『ヒェ!? 強豪がおる!!』
『サムネの後ろにいるこの金髪ツインテールのメイドさんだれ?』
『よく見たら青い球みたいなのも後ろで旗振って応援しているよ』
鬼姫 ぽらり onihime_porari
『気楽にやれよ?』
産峰 みこと ubuminne_mikoto
『楽しみなさいね』
『二人ともおるやん』
三つ並んだモニターの右側の一つに次々と文字が流れている。これはリアルタイムで配信にいる人が打ち込んだものが流れている。
もう左側には蒼銀の髪を一つにまとめ肩に掛け、黄金の瞳を持ちその額には特徴的な一本角が生えている水色の半衿と二の腕部分に切れ込みが有り半衿と同じ色が除いている
そして中央のモニターには【迷宮装備生産系】という文字と名前が可愛いフォントで書かれていて先ほどの少女が静止画で移っているサムネイルが映っている。
桜が咲き乱れるこの季節、僕はVtuberとしてデビューする。
「結構いるな。初配信はそこまで人は来ないって聞いてたんだけど……ん? ハハッ!」
準備もできている。告知もしっかりやった。最後の動作確認もばっちりだ。
確認を終えた後どれくらいの人が確認しているかの確認をしたら、聞いていたのとは違う状況に驚いてしまった。そこで、見知った名前がコメント欄にあるのを見付けて自然と笑みがこぼれた。
そろそろ予定していた時刻になる……
「よし! 始めよう!! ボクの配信を!! ライブスタート!!」
僕は配信開始ボタンを押した。
サムネイルから画面が切り替わりオープニングのアニメーションが流れ始める。
水色のカーテンが閉じられているところから始まりそれが開くと青いつやのある存在が左から右へピョンピョン跳ねながら移動している暫くすると金髪ツインテールのメイドさんが立っておりそこにたどり着くと少し会話をするように動作を見せてから同じ方向に移動を始める。
そのまま進んでいると少女が机に向って何か作業している所にたどり着いた。
机の上にあるのは六芒星以外何も書いていない魔法陣だった。
青い球体とメイドが少女に呼びかけると、少女は二人の存在に気が付き作業を止めて顔を上げる。
少し会話する動作を見せると書きかけの魔法陣が光り出しそれに気付いた三人は慌てて止めようとするが間に合わず魔法陣が爆発しでしまった。画面いっぱいに爆発の煙が広がる。
「ケホケホ失敗した~ 書きかけの魔法陣の前で迂闊な発言しちゃった。無理に止めようとしたから爆発しちゃったよ~」
爆発後の煙の中から声が聞こえるそれは中性的で男の子でも女の子でもどっちとでも取れる声だった。
「え? 今の拍子で配信開始ボタンが押ささった? いけない早くあいさつしないと!! とりあえず【
少女の呪文のような声が聞こえると画面上の煙が流れていく。
煙が晴れるとそこには水色を主に所々に存在を主張する青い球体がいる背景。
稲妻を連想される枠に囲まれたコメント欄。そして中央に主役である少女の姿が有った。
「こんばんはー ダンジョン装備制作系個人Vtuberの【
『アニメーションのクオリティ高いな』
『かわいい』
『待ってた』
『こんばんはー』
『初配信おめでとう!!』
『うーん……いい声』
『え!? 女の子?』
僕の挨拶に様々な声が返ってくる。そのことに胸が高まりつつ僕は口を開く。
「今日は改めてボクの配信に来てくれてありがと! 今日は改めて僕の自己紹介。今後の配信内容の紹介。そしてましゅまろに送られてきたみんなの質問に答えていくよ。最後までよろしくね」
『ましゅまろ送ったよ~』
『俺も送った』
『私も』
『返答が気になって夜しか寝れない』
「じゃあ自己紹介行くよ! 僕の名前は天結らいじゅ、今16歳で身長は143cm! 冒険者としてのジョブは付与術師だよ」
『小さい可愛い』
『16歳って、マ?』
『どう見ても小学生』
『ダンジョン系の配信の場合ギルドの許可が必要なうえ名前以外カードに書いてある通りにプロフィールに書かないとギルドが配信停止命令を出されるから事実だろう』
『博識ニキたすかる』
「そうなんだよー ダンジョンで慣れない配信をして注意力散漫になってモンスターにやられたケースが多くてギルドの許可なしで配信できなくなったんだよね。僕としてはもうちょっと身長を盛りたかったんだけど……一応チャンネルのリンクから許可証のページに跳べるから気になる人はチェックしてね?」
この許可証のページへのリンクが無い状態でダンジョン関係の動画を挙げた場合すぐにチャンネルが消されてしまう。
僕の場合は装備制作系なことと特別な理由ですぐに許可が下りたのだが。
『ほえー、知らなかった』
『あッ、ホントだ。跳べる』
『というか付与術師なんだ』
『レベル上げ大変だね』
『経験や能力から決められるとはいえ、ジョブが勝手に決められるのは如何にかならないものか』
「ホントだよねー ジョブは世界が勝手に決める癖にそのジョブに見合った行動がレベルを上がる条件なんて……っと、この話は別の配信でしよう。今日は祝うべくボクの初配信なんだから」
『そうだね、その方がいい』
『完全に同意だけど』
『初配信で黒化しかけるVtuber』
鬼姫 ぽらり onihime_porari
『苦労してるもんな……』
産峰 みこと ubuminne_mikoto
『そんなうちの子も可愛い』
「気を取り直して続き行こうか。僕の体を作ってくれたのがコメント欄にも来てくれている【
鬼姫 ぽらり onihime_porari
『:』
産峰 みこと ubuminne_mikoto
『……ッハ!? ハアーイ♡』
『大好きいただきました』
『一瞬、逝ってたね』
『ぽラリンも被弾してる』
『あの無邪気な笑顔の大好きだ。仕方ない』
「そして僕の体を動くようにしてくれたのは……僕の幼馴染でもある【
鬼姫 ぽらり onihime_porari
『アッ……ハイ♡』
『あの俺っ娘姉さん系鬼娘のぽらりんが……』
『メス堕ちしてる……だと!?』
『ぽらりんの話によく出る幼馴染はらいじゅちゃんだったか』
『ぽらりんの貴重なてぇてぇ来るか!?』
「ふふ、ぽらりちゃんにVtuberになるように勧めたのはボクだからね……ボクもぽらりちゃんのデビュー当時から配信はやる予定だったんだ。ホントはもうちょっと技術を高めてからが良かったんだけど、ちょっと急に予定が早まっちゃって……みことママとはそのころからの付き合いだよ」
『なに!?』
『まさかのここででぽらりちゃん誕生秘話が聞けるのか』
『ぽらりちゃんのデビューと言えば5年前か』
『製作期間も含めると当時小学生が依頼したって事?』
産峰 みこと ubuminne_mikoto
『そんなこともあったわねぇ』
『今考えると小学生でVtuber始めるって言うのも結構異常だな』
『予定が早まったってどういうこと?』
「ぽらりちゃんのリスナーさんは知ってると思うけどぽらりちゃんに必要だったからね。まあ、この話はいずれぽらりちゃんと一緒にね? ……と言う訳で続けて、今後やっていく配信に付いてなんだけどまず一つ目ははダンジョン装備の作成配信だよ。そのうち皆の意見を聞いた装備やアイテムも作ってみようかなとも思ってるよ皆もこんな装備が欲しいという意見よろしくね」
『早速コラボの予感 ワクワク』
『楽しみだぜ』
『迷宮装備作成系Vtuberだもんね』
『俺たちの意見も聞いてくれるのか!?』
『それは助かるな!?』
僕の発言におそらく冒険者のリスナーたちの歓喜のコメントが流れてきた。
やっぱりと言うか、ダンジョンの中で必要になるものが欲しいというのがボクも有るね。
そういう意見を集めるというのもこの配信の目的でも有る。
それが出来ればダンジョン探索での生存率も上がるからだ。
「次にダンジョン探索配信。これは必要な装備を作って、有る程度配信と探索に慣れてからね。じゃないと危ないから」
『そっかダンジョンに入れる年齢になってから間もないからな』
『安全第一だもんね』
『生産職を失うのは痛手だからね』
『そもそもVtuberでダンジョン探索って言うのは大丈夫なの?』
『実際に数人だけいる。それ用のアイテムを作ってる人かいるらしい』
『あ~……確か顔ばれ防止の仮面に顔認識の術式が付与されて機械に発信する奴だよね。制作者はまだ情報出されてないけど……あれ? 付与?』
『ま、まさか?』
『気になって確認したんだが、仮面を持っているVtuber全員がらいじゅちゃんをフォローしているな』
『確かぽらりんも持ってたよな? つ……つまり?』
鬼姫 ぽらり onihime_porari
『そう言うことだな』
産峰 みこと ubuminne_mikoto
『そういうことよ』
「勘のいい皆は……大好きだよ♪ そうあの仮面を作ったのは僕なんだ。ちなみに言うとダンジョンにはいかないけどみことママにもプレゼントしているよ。みんないい直感しているよ。その間は大事にね? 今の時代は大事だよ。あっ、でも配信での注文は受け付けてないからそこのとこはよろしくね」
鬼姫 ぽらり onihime_porari
『:』
産峰 みこと ubuminne_mikoto
『:』
『ぽらりんとみことママ』
『逝ったな』
『大好きいただきました』
『やっぱりか』
『みことママも持ってるのか』
『これは話題になるな』
『冒険者として勘は大事』
『ここでの注文はNG……了解』
「そして次が本命、まあこれが出来るようになったから予定が早まっんだけどね。これに関しては説明するよりやってみた方が早いからやってみるよ? 実際にやるの初めてだからドキドキする」
『本命? 装備じゃないの?』
『予定が早まった理由?』
『気になるね』
「うんうん。じゃあ行くよ〈電子の海を介し我らを繋げよ〉【|コ
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