前回までのあらすじ
前回までのあらすじ
復活した魔王を討伐するため、勇者の末裔である十四歳の少年・アレスは無理矢理に旅へ出されてしまった。彼は腕力も体力もなく臆病な性格で、剣も魔法も使えない。しかも一緒に旅に出た傭兵たちに裏切られ、強力なモンスターが徘徊する森の中へ放置されてしまう。
その後、ひとりぼっちとなったアレスはドラゴンと遭遇し、絶体絶命の危機に。だが、なぜか意思疎通が出来たおかげで、戦うことなく無事にシアの城下町へ到達することに成功したのだった。
この町でアレスは謎の美少女・ミューリエと出会う。彼女は自分に因縁を付けてきたチンピラたちを強力な攻撃魔法で一掃しようとしていたが、アレスはそれを必死に止める。そしてそのことをきっかけに、アレスに興味を持ったミューリエは自分とともに旅をすることを提案し、彼もそれを受け入れたのだった。
アレスが次に向かうのは『試練の洞窟』。そこはトンモロ村の村長から最初に向かうよう示されていた場所だ。
するとその途中、アレスたちは熊に襲われていた魔法使いのレインを助けることとなる。その際、アレスの不思議な力が発動し、熊を説得して退けることに成功。誰の命も奪わず、ピンチを脱した。
そしてついに辿り着いた『試練の洞窟』。その内部に入るとモンスターと遭遇するものの、ミューリエの剣技によってそれらを退けてゆき、最深部へと到達する。そこでは勇者の試練の審判者であるタックが待ち受けていた。
彼の話によると、世界には試練の洞窟が五つあり、勇者として認められるためにはそれぞれの洞窟にいる審判者の試練を全て乗り越えなければならないという。
なお、タックの試練は彼の呼び出す召喚獣と戦って倒すこと。だが、アレスには依然として戦う力がなく、ここまでミューリエの力に頼ってやってきたということを知ったタックから『勇者失格』の烙印を押されてしまう。
さらにミューリエにはパーティの解消を言い渡され、アレスは愕然とする。ただ、それと同時に自分が無意識のうちに『勇者の末裔』としての誇りを持ち続けて生きてきたことに気付き、再起を決意。必死にミューリエを説得する。
その結果、彼女はアレスに対し、翌日の日没までに自分だけの力でタックのところへ辿り着けたら一緒に旅をすることを続けるという条件を提示。それを受け入れたアレスは、限られた時間の中でミューリエの特訓に挑むこととなったのだった。
こうして彼はひとりで街道の走り込みを開始。基礎体力をつけることが全ての第一歩だからだ。だがその最中、彼は岩の塊のようなモンスターと遭遇し、襲われてしまう。ミューリエは町へ出かけていて、助けてもらうことは期待できない。
モンスターの圧倒的な力とスピードにアレスは追い詰められていく。そしてもはやこれまでかと思われた時、彼は熊と遭遇した際に発動した『意思疎通の力』のことを思い出し、それを使って戦闘回避を試みる。
するとその力はモンスターにも有効で、無事に説得することに成功。アレスはその力に自分なりの戦い方と活路を見出したのだった。いよいよアレスは自分だけの力で試練の洞窟へ挑む。
まず、遭遇したモンスターに対しては、それぞれの特性に応じて対処を工夫。例えば、動きの遅いスライムは無理に戦わず、逆に素速いデビルバットには能力で和解し、ピンチを切り抜けていく。こうしてアレスはタックのところへ独力で辿り着くことに成功する。
そしてアレスはついに勇者の試練――鎧の騎士との対決に臨む。それに勝利すれば、勇者の証を手に入れることが出来るのだ。
だが、鎧の騎士に対して彼の能力はなぜか通用しない。しかもアレスは攻撃を受け続け、どんどん体力が削られていく。もはや防戦一方の状態。だが、その戦いの中で彼は『とある事実』に気付き、最後の力を振り絞って賭けに出ることとなる。
もし彼の考えが正しければ、次の行動は起死回生の一手となりうる。いよいよ決着の時が迫る――
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https://kakuyomu.jp/works/16817139556074419647/episodes/16817139556074690400
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