第327話 ジャンヌ&ソフィアの出産

「元気に生まれてよかったですね。」


「ああ。ジャンヌとソフィアどちらもがんばってくれたよ。まさか同時に生まれるなんて思ってなかったけどね。」


クリフは今、エターレインの屋敷で生まれたばかりの赤ん坊を抱いていた。


(やっぱり子供は可愛いな。嫁達ももちろん大事だけど、子供だって大事だよな~。子供の出産に立ち会えないとか父親として最悪だし、今回も無事に立ち合えてよかったよ。)


グランとの時間を過ごしてから、次はサラサかライシャと過ごす予定をしていたが、セリーヌ達から、ジャンヌとソフィアの出産も近くなってきたので、子供が生まれてからにしてはどうかと言われ、クリフは、子供が生まれるまでゆっくりと小休止する事にしていた。


そして・・・


ジャンヌ、ソフィア共に元気な子供を出産したのだ。これでクリフの子供は5人になった。


長男:ライト・エターレイン(2歳)母親:セリーヌ

長女:ユリ・エターレイン(2歳)母親:ユーナ

次女:ヨーコ・エターレイン(1歳)母親:ナリア

次男:ジャン・エターレイン(0歳)母親:ジャンヌ

三男:フィアン・エターレイン(0歳)母親:ソフィア


同時期に生まれたが、若干はやかったジャンヌの子供が兄になる。母親が違うので双子と言えるかはわからないが、どちらも元気な男の子だった。この世界では男の子が生まれた場合と、女の子が生まれた場合の二種類の名前を子供が生まれる前に準備していくのが常識だった。


前世では、どちらの性別が生まれるのかは事前にわかるのだが、この世界にはそんな便利なモノはない。クリフもどちらが生まれてもすぐに名付けができるように名前を決めていたのだ。


☆☆☆


「「「「「「「おめでとうジャンヌ。ソフィア。」」」」」」」


出産してからしばらくして、ジャンヌとソフィアの体調が戻ると、エターレイン家では子供の誕生をお祝いして盛大なパーティを開いていた。クリフと嫁達だけでなく、ジャンヌの親やソフィアの親もそれぞれ参加していた。


「クリフ殿おめでとう。ジャンヌも元気そうだし、ジャンも可愛い。儂にとっては初孫だ。」


「ありがとうございます、ユーティリア公爵。ようやくジャンヌにも子供ができてほっとしてるって感じですね。」


「クリフ殿の場合はそうじゃな。嫁が多いと大変だな。」


「そうですね。まあ自分で選んだ道ですし、嫁が多いのはそれはそれで楽しいですよ。子供も可愛いですし。」


「そうじゃな。これでクリフ殿は5人の子持ちだな。エターレイン領はライトが継ぐだろうから、ジャンには儂のユーティリア領を継いでほしいもんじゃな。」


「それは気が早いですよユーティリア公爵。」


「そんな事はないだろ?あの陛下の事だ。ライトに関しては婚約者などの話も出ているんじゃないか?」


「・・・よくご存じですね。そうなんですよ。婚約者や国王にならないか?って言われてます。まあライトがやりたいなら応援したいんですけど・・・まだ2歳ですからね。ジャンに関しても将来ジャンがやりたいというなら俺は止めないですよ。皆に好きな事をして生きてもらいたいですから。」


(俺がそうだったし、子供には自由にいきてもらいたいよな。その結果誰もエターレインを継がないってなったとしてもしょうがない。まあその場合はその時考えればいいか。子供だってそれぞれに3人生まれたとして18人になる計算だし・・・)


ジャンヌの父親と話した後は、同じような事をソフィアの父親とも話した。セリーヌ達はジャンヌとソフィアを取り囲んでいる。ジャンとフィアンをそれぞれが抱きかかえている。


一通りパーティが終わると、クリフは一人庭が見えるテラスへと出ていた。


「疲れましたか?」


「セリーヌ。そうだね。楽しい会だったけど、あんまりパーティは得意じゃないからね。」


「ふふふ。疲れたなら言って下さいね。貴方はなんだかんだ言って私達の為に頑張る人ですから。」


「ありがとう。でも大丈夫。俺はさ、セリーヌ達とライト達が幸せに過ごせるようにしたいんだ。もちろん俺だって楽しく行きたい。だけど一人で楽しく生きるのって無理だと思うんだ。一緒に笑える人がいる。今日みたいに一緒にお祝いできる人がいる。人は一人じゃ生きていけない。俺が頑張る事で家族がもっと笑って過ごせるようになるなら俺はもっと頑張るつもりだよ。まあやれる範囲ではあるけどね。」


「赤ちゃんを見たら私も次が欲しくなってきました。」


「・・・次はグランとライシャとサラサだよね?」


「たしかにそうですね。でも貴方ならすぐですよ。ライシャとサラサは次に貴方と3人で過ごすんですよね?」


「ああ。どっちが先にするか聞いたら、二人一緒がいいって言ってたからな。」


「ならその時にどちらも子供を授かる可能性があります。グランは次は我だって気合十分ですし、私の番もすぐですね。」


「・・・そうだな。」


「ふふふ。私二人目は女の子がいいですわ。期待してますね。」


そういって、セリーヌはテラスを去って行った。


「子供か・・・さてさて何人できる事やら・・・。俺だってまだまだ若い。さすがに100人とは言わないけど、さっき計算したように18人は作りたいな。・・・大家族もビックリな数だけど異世界だし・・・」


今後の子作り計画を考えながら、まだまだ頑張らないと、と気合を入れるクリフであった。








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