第九章 魔国へ〜魔族大決戦!?

第275話 大発展の領都エターレインと魔国

この世界は大きな大陸が一つと、大陸の周りに小さな島国がいくつもある構成になっている。大陸には、北に聖国、中央に王国、南に帝国、西に魔国がある。東側は海に面するまでそれぞれの国が領土を伸ばしている。


俺の生まれ育ったボールドは王国と魔国の境目にある。両国の間には魔の森と呼ばれる魔物が多く生息する森が広がっており、魔国との防衛線及び魔の森の防波堤となっている。


俺がいまいるエターレイン領は位置的には、ボールドの北側。王都サリマンからは北西の位置になる。王国、聖国、魔国の中心ぐらいの位置になる。


俺達の結婚式があってから早1年が経った。この1年間でエターレイン領は大きく発展した。


セリーヌを中心に領地改革を行い、街は活気があふれている。様々な政策が次々に大当たりした。


ユーナ、ジャンヌ、ソフィアを中心に進めた教育改革。世界各地から飢えている子供を集めて教育を開始した。集まった子供たちは200人を超えている。この子供達がいますぐ何かしてくれる訳ではないが、子は宝。10年後、20年後を考えての改革は良い感触を得ている。


ナリアが進めているダンジョン事業は大成功だった。ダンジョンの名前はそのまま『不思議なエターレインダンジョン』だ誰でも挑戦できるという触れ込みは前世の遊園地を思わせる熱狂ぶりだった。死ぬことがないという触れ込みも大成功の一因だ。死ぬ。という感覚には慣れないが多くの人が挑戦し、それなりにドロップ品をゲットしている。ドロップ品は市場に流れ、経済活性化に一躍かっている。


そう、市場関係では、サラサとライシャの商会「レイン商会」が無事に立ち上がった。取り扱う商品は世界樹素材の武器防具に世界樹素材のアイテム、ダンジョンのドロップ品に海産物だ。世界樹素材が好評なのもそうだが、海産物がかなりの人気だ。


エターレイン領の周りには海がない。それは、王都サリマン、ボールドも同様だ。聖都と帝都は比較的近くに海があるが、エターレイン領から得られる海産物は新鮮さと珍しさで大人気になっている。そうサラサとライシャがいる世界樹の大陸からの輸入品だ。


世界樹の素材だけじゃなく、海産物も人気が出ると目をつけたサラサとライシャがグリーンランドとダークランドの住民に話をして、海産物部隊を作ったのだ。それによりサラサとライシャのエターレインへの貢献は多大なものになっていた。


そうそう、グランを中心にした警備も触れておこう。グランを頂点とするエターレイン警備隊は24時間体制でエターレインの町を警備している。冒険者を引退したもの、身体を欠損して冒険者をあきらめたものなどが中心になっている。もちろん身体の欠損は俺の魔法で直した。


それぞれの人員は奴隷を多く活用している。俺の奴隷の欠損を直して神のように君臨する計画を語った事があったが、俺のハーレム入りを懸念してか、俺の奴隷ではなく、セリーヌ、ユーナ、ナリア、ジャンヌ、ソフィア、グラン、サラサ、ライシャのそれぞれが奴隷契約をしている。


どうやら、嫁達で話し合って俺が女性を奴隷にすると、嫁が増えると話し合ってそうなったらしい。俺もその気だったから何も言えなかった。


8人も嫁がいたら夜が大変なのでは?

そうだな。その質問にも答えておこう。簡単に言えば問題なかった。俺が創造神の加護を持ってるのは知ってるだろう。その加護が仕事をしてくれたのかは不明だが、嫁たちとハッスルタイムを行えば行う程、それに対する体力はドンドン増えていった。今では8人同時に相手しても問題なしだ。


8人も同時に相手にするなんてリア充爆発しろ?はっはっはっ。安心してほしい。俺の逆の立場なら同じように思うしラノベのテンプレならよくある話だ。


子供?そうだな。毎日毎日相手をしているとそこも気になるだろう。なんと言っても貴族の務めだからな。でもまあ、子供に関しては今は伏せておこう。いや何、後々のためだ。


「クリフ様?どうしたんですか。ボーっとして」


「いや結婚式をしてからもう1年も経ったんだなと思ってね。1年間早かったな~って思い出してたんだ。」


「そうですね。急成長するエターレインでしたから休む暇もありませんでしたね。でも明日からボールドに行くんでしょ?」


「ああ。あそこは魔の森とつながってるからね。うちの世界樹の素材をまとまってほしいみたい。今までは需要が追い付いてなかったから提供できなかったけど、ようやく目途がたったからその打ち合わせにね。」


「義父様と義母様にもよろしくお伝えくださいませ。」


「うん。わかったよ。何日か留守にすると思うけどよろしくね。って言ってもセリーヌ達なら大丈夫か。」


「はい。出かけても毎日クリフ様がちゃんと念話で状況を伝えてくれるので安心して政務に精を出せますわ。ただ・・・留守にされると順番が回ってくるのが遅れるって毎回のようにグランが言ってますけどね・・・」


「ははっ。そればっかりは戻ってきたら頑張る。としか言えないね。」


「そうですね。毎回言ってる言葉ですが何があるかわかりませんのでお気をつけて。」


「うん。ありがとう。それより今日は結婚記念日だろ。盛大にお祝いしよう。」


結婚式からちょうど1年たったこの日、クリフ家では結婚記念日を家族でお祝いしたのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る