第266話 プラチナスパイダーをテイム!?

「待ってわクリフ君。」


「やっほー。クリフ君久しぶり。」


クリフが今いる場所は髪会だ。まだプラチナスパイダーには出会っていないが、エルフ達の脅威を取り除き、この後の事を話す為、報告と相談にきていた。


「はい。報告と相談があったので、寄らせてもらいました。」


(いつも思うけど、ここにいる神様達って基本くつろいですよな。今もコタツに入ってミカン食べてるし。これにテレビでもあれば確実にダメ人間コースだな。あっ。そう言えばテレビなんかなくても神様達ってここから世界の事を見れるんだっけ。そっか。そっか。)


「ふふふ。そうですよ。だらだらしてるのではなく、ちゃんと下界を見てやるべき事をやってるんですよ。」


(ははは。心を読まれた。)


「僕はただ、ダラダラしてるだけだよ〜。」


(キューブ様はあいかわらずだな。)


今クリフの目の前にいるのは、豊穣神アイリーンと遊戯神キューブだ。いつもいるはずの創造神はなぜかいなかった。


「二人だけですか?珍しいですね。いつもなら創造神様もいらっしゃるのに。」


「爺ちゃんは忙しいからね。一応神会のトップだし。時間があればくるんじゃない?」


「そうですね。まあそんな事より見てましたよ。あの子達を救ってくれてありがとうございます。何も説明しないまま転移させてしまってごめんなさい。」


「いえいえ。無事に解決できてよかったです。プラチナスパイダーとはまだ会えていませんが。でもそうですね。先に言っといてくれたらもっと早く解決できたとは思うんですが、なんで何も説明しなかったんですか?」


「基本的に私達は下界へはあまり干渉できません。ああなってしまったのも元々はあの子達の自業自得ですし。今回は邪神が長期間絡んでいると言う事で私が動きました。」


(そういや下界にはあまり干渉できないって言ってな。聖女に神託したりしてるし、それこそキューブ様なんてダンジョンで会ってるし今更な感じもするけど・・・)


「グレーゾーンです。ルールは破っていません。」


(やべっ。心読まれたよ。)


「クリフ君は僕達の代行者みたいな所があるからね。クリフ君には比較的楽に干渉できるんだよ。」


(なるほど。たしかに今の俺って人族ではないみたいだし、神の領域に足を踏み込んでるような存在だもんな。怖くて最近はステータスも確認してないけど、さてさてどうなっているのやら・・・)


「事情はわかりました。見てたなら知ってるとは思いますが今後の事で、他の大陸との交流と言う案が出たので、俺の街と転移魔法陣で繋ごうと思ってます。今日はその許可をもらいに来ました。」


「構わないわよ。」


「えっ?軽!?いいんですか?」


「もちろん。精霊ちゃんと契約したんでしょ?クリフ君が世界樹を気にしてくれるなら枯れる事もないだろうしね。苦労した分エルフ、ダークエルフともにあの子達には幸せになってもらいたいから。あっでもちゃんとユーナちゃんも構ってあげてよ。」


「それはもちろんです。」


「ならクリフ君の自由にしてくれてかまいません。」


「ありがとうございます。」


「それにしてもクリフ君は見ていて飽きないね〜。レインボージュエルが足りないなら言ってよ。クリフ君にならいくらでもあげるから。」


(いやいや対価も無しにそれはまずいでしょキューブ様。それに・・・運が良いのか悪いのか手元にはあと3個未使用の指輪があるんだよな〜。リン、サラサ、ライシャ、丁度3人・・・そう言う事なんだろか。)


「うんうん。足りてるなら大丈夫だね。」


(あっ。又心を読まれた。)


世界樹の事と、転移魔法陣の事を伝えたクリフは、その後少し雑談して、エルフ達のいるグリーンランドに戻った。最後まで創造神は現れなかった。


グリーンランドに戻ったクリフは、早速世界樹に向かった。プラチナスパイダーの素材を手に入れる為だ。


サラサとライシャは共に自分達の村でやる事があると、同行していない。


『リン。プラチナスパイダーは世界樹の中にいるんだよな?』


『はい。主様。世界樹の実がある場所です。強くありませんのですぐに倒せると思います。』


常に腕に抱きついていたリンだったが、説得の末、普段は世界樹の元か、精霊界に戻っていた。パスが繋がってるのでどこにいても念話はできる。


(定期的に糸を手に入れるならテイムして飼うって選択肢もあるか。だけどな〜蜘蛛だろ〜。虫って苦手なんだよな・・・。連れて帰ったらセリーヌ達に瞬殺されるかも。)


世界樹の中に入り、階段を上がって行くとプラチナスパイダーはすぐに見つかった。銀色の蜘蛛で体長1mもあればすぐにわかるのは当然だ。


「やっぱテイムするのは無しだな。気持ち悪い。」


風魔法でプラチナスパイダーをスパスパと倒していき、ドロップした純白の糸を集めて行った。


「これだけあれば大丈夫だろ。色は多分魔法で変えれるから、後は転移魔法陣を作って、ようやく帰る事ができるな。」


大量のプラチナスパイダーの糸を手に入れたクリフは意気揚々と、グリーンランドへと戻った。


すると・・・


昨日あれだけの大宴会をして仲良くなったと思ったエルフとダールエルフがいきなり声をあげて言い争っていたのだった。




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