第220話 奈落の底ダンジョン最下層
クリフ達はパインと別れたあと、91階層から先を順調に攻略していった。それもそのはず90階層まで攻略したクリフ達のレベルは、
クリフ950
セリーヌ400
ユーナ400
ナリア400
までレベルを上げていた。90階層に挑むまでは350レベルだったのに、91階層で再度見てみると50もレベルが上がっていたのだ。
これは、クリフとパインの戦いの経験値がセリーヌ達にも入ったからだ。4人の持つ指輪に付与された感覚共有の効果によるものだ。
クリフ達は、迷う事なく91階層、92階層と着々と100階層の最下層に向けて進んで行った。
今日は96階層へ降りる階段を見つけるまで攻略を進めようと話していたクリフに、不意に念話が入った。
『マスター大変大変。』
パインの元にいるはずのエバからの念話だ。
『どうしたのエバ?』
『今魔族達が90階層を突破したよ。』
『えっ!?』
「どうしたんですかクリフ様?」
「いや今、エバから念話が入って、魔族達が90階層を突破したらしい。」
「ちょっと!それ本当なのクリフ?すぐ後ろまで迫ってるじゃない?パインは負けちゃったの?」
『エバ?パインは無事なのか?』
『はい。パイン坊は無事です。元々パイン坊はあそこの管理人です。死ぬことはありませんので、』
『でもよくパインを倒せたね?』
『90階層に来た魔族は5人でした。パイン坊がコピーのスキルを使っても5対1は分が悪かったえですね。』
『なるほどね。』
「ナリア。パインは無事みたいだから安心して。それと、魔族は5人みたいだ。」
「そう。パインが無事ならよかったわ。」
『それでパイン坊からの伝言です。もたもたしてると追い付かれるぞ。急いでダンジョンを攻略しろ。です。』
『わかった。ありがとうエバ。』
「みんな。先を急ごう魔族達に先を越されないようにしないと。」
(予想以上に魔族のスピードが速いな。5人も来てるのも予想外だ。けっこう強いやつらが来てるのか?俺達が今95階層だから魔族達との差は4階層分。ギリギリ先に攻略できるか・・・)
クリフ達は、休憩を少なくし、95階層の攻略を終えたり休む事にしていたが、予定を変更し、行けるところまで行く事にした。
レベリングなどの無駄な時間を使っている暇はないと、先に先に進んで行く。96階層への階段を見つけたので更に攻略を進めようとクリフが先頭をきって階段を降りようとした時にセリーヌが待ったをかけた。
「クリフ様。今思ったんですが、下に降りる階段を土で防げば魔族達は追って来れないのではないでしょうか?」
「たしかに!?セリーヌナイス。それはおもしろいね。しかも周りと同じように偽装できたら下への階段がわからず、魔族達を足止めできるかも。早速やってみようか。」
「でもクリフさん。下に降りる階段を塞いじゃったら私達も下に降りられないですよ?」
「あっ!?たしかに・・・それだと階段を降りてから穴を塞ぐ感じになるか・・・それだと丸わかりだよね?」
「はい。」
「なら塞ぐのはやめて、先を急ごうか。」
「すいません。クリフ様・・・」
「セリーヌが謝る事ないよ。それに、気になる事があったらドンドン言ってよ。俺一人で考えるよりみんなが意見を出し合った方が良い案がきっと出ると思うしね。」
「はい。」
その後、96階層を進み97階層への階段を見つけた所で、一度休憩する事にした。夜営中に魔族が襲ってくる可能性がある為、交代で見張りもする事にした。魔族が襲ってくるとセリーヌ達じゃ対応できないかもしれないから、クリフ一人かセリーヌ、ユーナ、ナリアの三人が交代で見張りを行った。
一夜明けても魔族達は襲って来なかった。夜営の間ももしかしたら魔族達はダンジョンを進んでいるかもしれないと思ったクリフ達は、今日中に最下層まで進む事を決めて朝早く行動を開始した。
98階層への階段を朝早く見つける事ができたので、98階層、99階層と進み、100階層への階段を発見した。
「100階層への階段を見つけたわ。」
「ああ。魔族達より先に攻略できそうだな。」
「クリフ様。早速降りましょう。」
クリフ達は100階層への階段を降りていく。するとそこは・・・
真っ白い空間で、真ん中には椅子に座る子供が、そして子供の後ろには黒い球が宙に浮かんでいた。
「ようこそ試練のダンジョン最下層へ。創造神の加護を持つクリフ君とその仲間達だね。僕の名前はキューブ。遊戯神キューブだよ。」
「「「遊戯神キューブ様。」」」
「創造神のじいちゃんから聞いてるよ。魔王の核を取りに来たんでしょ?」
「はい。なので最下層の試練があるなら初めてもらえますか?後ろから魔族が迫ってきていて時間がないんです。」
「そうだよね。でも・・・ダメだよ。僕は創造神のじいちゃんと違って依怙贔屓はしないんだ。僕にとっては人間も魔族もこの世界で生きる生物だからね。ちょうど最下層の試練をどうしようか考えていた所だから魔族達が来るまで待ってて。一緒にした方が面白そうだから。」
魔族に先を越されないように急いで最下層に来たクリフ達だが、遊戯神キューブから伝えらてた内容は、魔族を待つという衝撃の内容だった・・・
☆☆☆★★★☆☆☆
お読みいただきありがとうございます。
新作も無事に投稿致しました。ブログでは先行的に公開しています。
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