第198話 セリーヌと・・・

奈落の底ダンジョン21階層に進んだクリフ達は環境と魔物に苦戦し、思うように進む事が出来なかった。


だが、経験を重ねる事で魔物に慣れていき、暗くなる前に22階層に降りる階段を見つける事ができた。


クリフはコテージを出して晩御飯の準備をする。ちなみに朝ご飯と昼ご飯はセリーヌ、ユーナ、ナリアが担当し、晩御飯はクリフの担当になっていた。


出来上がった晩御飯を食べながら明日の事を話していく。


「今日は全然先に進めなかったね。」


「そうね。魔物に苦戦したし、フィールドが広すぎるのも問題ね。」


「そうですね。でも最後の方はだいぶ慣れましたわ。」


「はい。最後はホワイトモンキーも倒せましたしうまくいったと思います。」


ナリア、セリーヌ、ユーナの順に今日のダンジョンについての感想を言い合った。


「そうだね。色々問題はあったけど、ちゃんと修正して、改善できてたから、みんなかなり成長してると思うよ。」


クリフはセリーヌ達を鑑定して、現在のレベルを調べてみた。


セリーヌ・・・レベル46 → レベル48

ユーナ・・・レベル42 → レベル45

ナリア・・・レベル44 → レベル47


(レベルも順調に上がってるみたいだね。下に進めなくても魔物は倒してる訳だからそれもそうか。無理にレベリングしなくてもこのままなら30階層につく頃には確実にレベル50は超えてるし、うまくいけば60ぐらいまで上げれるかもしれないな。)


「そうね。私もかなり強くなった気がするわ。今日は良い感じに連携できてたし明日からもドンドン攻略を進めましょ。」


明日からもドンドン攻略する事を話しあって、食事の時間は終了した。いつもならセリーヌ達、女性陣が先にお風呂に入るのだが、この日は女性陣がダイニングから動かなかった。


「あれ?いつもなら攻略で汗かいてるからってすぐにお風呂に入るのにどうしたの?」


「え~っとクリフ様?今日はちょっとナリアとユーナとまだ話があるので、先にお風呂に入ってきてください。」


「そうなの?じゃあお言葉に甘えようかな・・・。」


女性陣から先にお風呂に入るよように言われたクリフは、先にお風呂に入る為ダイニングを出て行った。


クリフが出て行ったダイニングでは、セリーヌ、ユーナ、ナリアの3人が今日の作戦を話合っていた。


「セリーヌ。うまくいったわね。」


「はい。でもよかったのでしょうか?みんなでこのダンジョンを攻略しないといけないという時に?」


「もちろんよ。別に変なことしようって訳じゃないのよ。クリフと一緒に寝るだけよ。まあキスぐらいならするかもしれないけど、それだけよ。それぐらいのご褒美がないともたないわ。過酷なダンジョンで何日も過ごすのよ。」


「それはそうですけど・・・。」


「セリーヌは深く考えすぎなのよ。婚約者なのよ。一緒に寝るぐらい大丈夫よ。さすがにそれ以上の事はまだ早いと思うからね。ユーナもそう思うわよね。」


「はい。私もクリフ様と一緒に寝てみたいです。」


「無理なら今日はセリーヌの代わりに私が行ってもいいわよ?」


「それはダメです!。あっ・・・いえ・・・クリフ様と一緒に寝るのは私が一番最初です。」


「でしょ?ならセリーヌががんばってくれないといつまで経ってもクリフとの関係が進展していかないもの。大丈夫よ。セリーヌが一緒に寝たいって言えばクリフだって断る事はしないわ。」


「わかったわ。クリフ様の部屋に突撃して、今日は一緒に・・・寝るわ!」


長々とおしゃべりしていると、クリフがお風呂から出てきた。


「やっぱりお風呂は気持ちいいね。疲れが吹っ飛ぶよ。お風呂空いたからセリーヌ達も入ったら?」


「はい。私たちも話が終わったからお風呂に入って休む事にします。」


「うん。又明日ね。」


クリフはダイニングでセリーヌ達と別れて、部屋に向かった。


「さっきのセリーヌ達なんか変だったな・・・。どうしたんだろ?今日思うように攻略が進まなかったのをやっぱり気にしてるのかな??」


クリフは先ほどのセリーヌ達の様子がいつもと違う事を少し気にしていた。


「セリーヌ達をすぐに援護できる位置で僕は別行動して下に降りる階段を探してもいいかもな。それができればセリーヌ達のレベル上げとダンジョンの攻略が一緒にできるから攻略も早く進むし・・・。」


明日からどうすればもっとうまく行くか一人で考えていると・・・


「クリフ様?今いいですか?」


セリーヌがクリフの部屋を訪ねてきた。


「セリーヌ?うん大丈夫だよ。」


クリフは部屋のドアを開けて、セリーヌを部屋の中に入れる。


「どうしたの?」


「え~っと・・・。実は・・・。」


「ん?」


セリーヌは顔を赤くしながらも決意を固めて言葉を話した。


「実は・・・今日はクリフ様と一緒に寝ようと思って・・・」


「えっ!?」


クリフはセリーヌの言葉に固まってしまった。


(えっ!?一緒に寝る・・・それって・・・もしかしてそういう事?えっ?ならもしかしてさっき3人で話してたのってこの事・・・。いやいや僕って鈍感系の主人公だったっけ?いやいやそんな事ないだろ。でも婚約者になってから関係は進んでないし。いやいやこの世界は結婚するまで、一線はこえたらダメだったはず・・・)


「え~っと・・・。どうして急に?何かあったの?」


(いやいや違うだろクリフ。ここは男として迎え入れるのがハーレムを目指す主人公だろ。)


「あー。そうだね。僕達って婚約者だから一緒に寝るのも大丈夫なんだよね?」


「はい・・・。クリフ様と一緒に寝れたら明日からもダンジョン攻略をもっと頑張れるかなっと思って・・・。」


「うん。もちろん僕は大歓迎だよ。僕だって男だしね。」


そういって、クリフとセリーヌは二人で夜遅くまでおしゃべりし、一緒に眠りにつくのだった。


だが・・・


一緒に寝るだけで手を出せないことに、クリフはいつも以上にムラムラしてしまったのだった・・・





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