第196話 強敵!?ホワイトモンキー!
奈落の底ダンジョン21階層に進んだクリフ達。21階層からは今までの洞窟タイプのダンジョンとは違って、ダンジョンの中に草原、森、荒地など自然が広がっていた。
セリーヌ達のレベルを上げる為、魔物を倒しながら進む事を決めたクリフ達は魔物がいそうな森へと足を進めていた。
「そろそろ魔物が現れると思うから注意して。」
クリフの言葉にセリーヌ達は武器を構えた。すると、ガサガサと言う音と共に前方から魔物が向かってきた。
「来たわ。猿の魔物ね。」
クリフはすかさず、魔物を鑑定する。
「ホワイトモンキーだね。木の上から物を投げてきたり、仲間を呼ぶみたいだから早めに倒そう。森に火が付いたら大変だから火魔法は使わないでね。」
「わかりました。」
セリーヌが土魔法のサンドボールを放つ。だかホワイトモンキーには避けられてしまった。
「動きが素早くて狙いが定まりません。どうしましょう。」
(この辺りは経験の差が出てくるな。まあ無理もないか。普段はお姫様なんだし。僕がうまくサポートしないと。)
「セリーヌ。大丈夫だから落ち着いて。避けられてもいいから何度も魔法を使うんだ。ホワイトモンキーの動きを予測してみて。セリーヌならできるよ。」
「セリーヌ。私も魔法で援護します。」
ユーナとセリーヌが二人がかりで魔法を使う。ホワイトモンキーは気をうまく使って二人の魔法を避けていく。ナリアがホワイトモンキーに攻撃できる隙を伺っているが、木の上を移動している為、なかなか手を出せないでいた。
(う~ん。このままだと他の魔物が寄ってきそうだな。)
このままじゃ、他の魔物が寄ってきて危なくなると判断したクリフは、風魔法を発動して、ホワイトモンキーを一瞬で倒した。
「セリーヌとユーナがけっこう魔法使ってたから、このままじゃ他の魔物が寄ってくる気がしたから僕が倒しておいたよ。」
「クリフ様。ありがとうございます。」
「クリフ。助かったわ。私もホワイトモンキーを攻撃しようと思ったんだけど、すばしっこくて捉える事ができなかったわ。」
「私もです。魔法を使うんですけど、動きが早くてうまく狙えませんでした。」
「まあこれから経験していけば大丈夫だから、そんなに落ち込まなくて大丈夫だよ。感覚共有があるから僕が何体か倒してみるからどんな感じですればいいか見ててね。」
「「わかりました。」」
「わかったわ。」
「じゃあ同じホワイトモンキーが1体でいる所を探すね。」
そう言ってクリフは先ほどと同じ気配を探す。
「いた。あっちに1体だけ逸れているっぽいな。じゃあ行こうか。」
森を進んで、ホワイトモンキーを見つけたクリフ。
「さっきは魔法を当ててホワイトモンキーを倒したから今度は連携の方法を見せるね。ナリア手伝ってくれるかな。」
「ええ。どうすればいいの?」
「ホワイトモンキーの近くで槍をかまえてて。僕がそこにホワイトモンキーを誘導するから。」
「わかったわ。」
「セリーヌとユーナは僕の魔法を見ててね。」
「「はい。」」
「魔物の行動パターンってある程度決まってるんだ。セリーヌとユーナは木にいる所を狙ったからさっきはうまくいかなかったんだ。木の上にいるって事は自由に移動できるって事だからね。だから狙うのは、木から木に移動している所だね。」
そういって、クリフは木を離れた瞬間にホワイトモンキーに向けて魔法を放つ。今回はナリアに倒させる予定なので、ホワイトモンキーには当てずに牽制だけだった。
「なるほど。木から木への移動中なら避けれないですね。」
「そういう事。まあ魔法のスピードが遅かったら当たる前に避けられちゃうけどね。次にどの木に行くのか予測して魔法を放つ感じかな。後は・・・」
次にクリフは木の上にいるホワイトモンキーの右側に風魔法を放つ。すると、ホワイトモンキーは魔法が来るほうとは逆方向に避けた。
すかさず今度はホワイトモンキーの頭上に高速の風魔法を放つ。すると、ホワイトモンキーはその魔法を避けようとして木から降りた。もちろん降りた先には槍を構えるナリアがいた。
ナリアはせまってくるホワイトモンキーに槍を一閃した。逃げ場をなくしたホワイトモンキーはナリアの槍の一振りで消えていった。
「「すごい・・・」」
「とこんな感じに逃げ場を限定して仲間が倒しやすいようにするのも方法の一つだね。一人で戦ってるんじゃないから魔法をうまく使えばこういう事もできるようになるよ。」
ホワイトモンキーを仕留めたナリアが戻ってきた。
「さすがクリフね。槍を構えてたら目の前にホワイトモンキーが来たわ。倒すのは簡単だったわ。」
その後、クリフ達はデススパイダーというクモの魔物やキラーマンティスというカマキリの魔物。ビックビーという蜂の魔物など、森に出てくる魔物を順々に倒していった。
ホワイトモンキーみたいに逃げ回る魔物ではなかったので、他の魔物を時間はかかったが問題なく倒す事ができた。
「ホワイトモンキー以外は問題なさそうだね。おっ又魔物が来たよ。ベアラッシュだって。熊の魔物みたいだ。」
「まかせて。セリーヌとユーナは魔法で援護して。」
「わかったわ。」
「わかりました。」
3人で連携して、ベアラッシュに向かっていく。先にセリーヌが魔法を放って、ひるんだ所をナリアが攻撃するスタイルだ。ナリアにはユーナのバフがかかっている。ベアラッシュもナリアの槍で簡単に倒れた。
「お疲れ様。ちょっと魔物がいない所に移動して休憩しようか。」
「そうね。連戦でちょっと疲れたわ。」
「そうですね。けっこう魔法を使いましたから私も疲れました。」
「私もです。」
クリフ達は森から出て、草原で休憩する事にしたのだった・・・
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