美少女という名のモンスターたち:ゆうみ

Take_Mikuru

美少女という名のモンスターたち:ゆうみ

◯教室・中・昼


康介(24)とゆうみ(17)が机に向かい合って座っている。それぞれ目の前に問題集を広げている。ゆうみは集中して問題集を解いており、康介は問題集を見ながら時折ゆうみの方を見ている。少しの沈黙の後、突然ゆうみがシャーペンを置く。


ゆうみ「終わった」


ゆうみはそのまま椅子の背もたれにもたれかかり、思いっきり背伸びをする。


ゆうみ「ああ~、疲れたぁ~」


康介は笑いながらゆうみを見る。


康介「おつかれ」


康介はゆうみの問題集を自分の方に向け、赤ペンで採点を始める。


康介「うん、うん、よく出来てるね」


ゆうみは背もたれにもたれかかったまま問題集と康介を見ている。


康介「うん」


康介は丸をつけ終わり、ゆうみを見る。


康介「百点。完璧」


ゆうみは嬉しそうに笑い、両手を上げて思いっきり伸びをする。


ゆうみ「やっと終わったぁ~~~」


康介「ほんとお疲れ様。これで夏季講習も終わりだね」


ゆうみ「ほんと疲れた。もう一生勉強しなくていいわ」


康介は笑う。


康介「まぁそう思っちゃうよね~」


ゆうみは康介を見る。


ゆうみ「だって一日10時間以上勉強したんだよ」


康介「うんうん」


ゆうみ「しかも毎日、どう考えても異常だよ」


康介「10時間は長いよね~」


ゆうみ「うん、これで受験落ちたらマジ泣くんだけど」


康介「またまた、なんで落ちることを考えるの~」


ゆうみ「だって落ちるかもしれないじゃん」


康介「うん、でも受かるかもしれないよね~」


ゆうみ「またそれ」


康介は笑う。


康介「うん、両方の可能性があって、夏休み中毎日10時間勉強したゆうみちゃんは確実に合格する確率が高まったよねっていうね」


ゆうみは少し笑顔になる。


ゆうみ「まぁ、そうかもね」


康介「そうだよ!もう素直じゃないなぁ~」


ゆうみは普通に笑う。


ゆうみ「褒められるとどうしたらいいか分からないんだよ」


康介は笑う。


康介「そっかそっか。まぁ、とにかくお疲れ様でした」


ゆうみ「うん、先生もお疲れ」


康介「いえいえ、この後はどうすんの?」


ゆうみ「う~ん、誰か友達でも呼び出そっかな」


ゆうみは机の上の片づけを始める。


康介「お~、いいね、どっか行くの?」


ゆうみ「う~ん、普通にカフェ言ってダベるとか?分かんないや」


康介は笑う。


康介「適当にってやつか」


ゆうみ「そうそう~」


ゆうみは問題集と筆箱を鞄に入れ、ジッパーを閉めた後に立ち上がる。康介は少し慌てた様子で立ち上がる。ゆうみは康介を見る。


康介「あ、あのさ、ゆうみちゃん」


ゆうみ「うん?」


康介は緊張した様子で下を見てからゆうみを見る。


康介「俺と行くのってどうかな」


ゆうみ「え?」


康介「だからぁ~、そのカフェ、俺と一緒に行くのってどうかな?カフェで俺とダベるみたいな?」


ゆうみ「え?なんで?」


康介は困ったように笑う。


康介「なんでって、夏季講習中毎日一緒に勉強してきたしさ、そろそろそういう仲かなって思ってさ」


ゆうみ「は?なに言ってんの?」


康介「うん?」


ゆうみ「てか、そういう仲って何?」


康介「だからぁ~、カップル的な?」


ゆうみ「は!?カップル!?」


康介「あ、」

 

康介は焦った様子で後方にあるドアを見てから素早くゆうみの方に向き直る。


康介「ほら、デカイ声出したら他の先生に聞こえちゃうでしょ?」


ゆうみ「お前ほんとさっきから何言ってんの?夏季講習中ずっと一緒に勉強してたから?あんた先生でしょ?この講習中の私の授業をたまたまあんたが担当したから、ずっと同じ教室にいたってだけでしょ?」


康介「いやまぁ、きっかけはそうだよ?でも、勉強の合間にいろいろ話したりさ、仲良くなったじゃん?」


ゆうみ「話って、私の好きなカフェとか食べ物とか、勉強が嫌だってこととかってこと?あんなのただの雑談じゃん。あんなんで仲良くなったとか言わないでくれる?あんたに話振られたから答えてただけだしね。この夏季講習中、一度でも私から話題振ったことあった?」


康介「それはぁ〜、、、」


康介はまた困ったように笑い、下を向いてからゆうみに目線を戻す。


康介「でも勉強の悩みとかは沢山聞いてあげたじゃん?」


ゆうみ「あれもあんたが最近悩んでることない?って聞いてきたから、無難に勉強の悩みを話しただけ、ぶっちゃけそこまで悩んでなかったし。てか何か合点したわ。妙に話しかけてきたもんなお前。ずっと私をそういう目で見てたんだ?」


康介「いや、それは、、、」


ゆうみ「え?違うの?」


康介は動揺した様子で唾を飲みこむ。


ゆうみ「どうなの?女子高生に本気で惚れてるってことですか?」


康介の顔は真っ赤になっており、康介の目が激しく泳いでいる。ゆうみは飽きれた表情で康介を見上げ、ふと笑う。


ゆうみ「もういいわ。マジきもい」


ゆうみはそのまま康介の隣を歩き去る。康介は泣きそうな表情で口を開く。


康介「待ってくれ」


ゆうみはそのまま歩き続ける。


康介「待ちなさい!」


ゆうみは立ち止まる。康介はゆうみのすぐ後ろまで歩いていく。


康介「ああ、俺はずっと君のことが気になっていた。入塾したその日からずっとな」


康介は唾を飲みこむ。


康介「タイプなんだ。こんなに可愛い子、見たことがない。それで、この夏季講習、君の授業を担当できると知って、死ぬほど嬉しかった。心底ワクワクしたんだ。だから少しでも距離を縮めようと、勉強以外の話も振ったんだ。でも安心してくれ、変なことをしようなんて思ってない。純粋に、君に僕の彼女になって欲しいんだ」


康介は決心した表情でゆうみの前に立ち、ゆうみを見る。

 

康介「ゆうみちゃん、心の底から好きです。僕の彼女になってください。お願いします」


康介は片手を差し出しながら深々とお辞儀をする。少しの間、沈黙が流れ、康介は頭を下げた状態でゆうみの顔を見上げる。ゆうみは心底引いている表情で康介を見ている。


ゆうみ「本当にやめてください。帰ります」


ゆうみは康介の前を通ってドアノブに手をかける。康介は涙を流しながらギュット目を閉じる。


康介「来週面談があるよね」


ゆうみはドアノブを握ったまま静止する。


康介「僕、ゆうみちゃん、そしてゆうみちゃんの親御さんでの面談、あるよね」


康介はゆっくりと上体を上げ、ゆうみの方を向く。康介の目からは涙が流れている。


康介「親御さんに何て言おうかな~」


ゆうみは不安そうな表情でドアを向きながら康介の話を聞いている。


康介「夏季講習中ゆうみちゃんの様子を見ていたのは僕だけ。親御さんへの報告は僕の判断でいかようにでもできる。もし今すぐ出て行きたければいいよ。でも、その場合、来週の面談、何言われても文句言わないでね」


ゆうみ「どうして、、、」


康介「うん?ゆうみが僕の思いをはねのけるからだよ?」


ゆうみは恐る恐る康介を振り返る。康介は真っ赤な目と顔で、涙を流しながら悲しそうにゆうみを見ている。ゆうみは怯えている。


康介「ごめんね。怖がらせて。ただ、大人をナメない方がいいよ。俺が聞いたから答えた?なんだそれ。俺は対応されてたってことか?17歳のクソガキに?家に帰ったらお母さんがご飯作って待ってるクソガキに?デカイ顔だけして、言葉だけはいっちょ前なこと言って、しょせん自分一人じゃなんっにもできないクソクズ野郎に、全て自分でやってる、完全に自分一人で生きてる俺が、対応されてた?ふざけんじゃねーぞコラァ!!!!!!」


ゆうみはドアノブを回して外に出ようとするものの、康介がもの凄い勢いでゆうみの腕を掴んで反対方向に思いっきり投げ飛ばす。ゆうみはもの凄い勢いで地面に投げ飛ばされ、涙を流しながら康介を見ている。


講師1「どうしんだ!?大丈夫か!?」


外から講師1の声が聞こえる。康介は部屋の中央から椅子を取りドアノブの下にはめ込みながら言う。


康介「はい、大丈夫です。すみません、大きな声を出してしまった。ちょっと注意しただけですので」


康介は地面に倒れているゆうみを振り返り、ゆうみの目の前にしゃがむ。


康介「俺をバカにするなよ」


ゆうみは心底怯えた表情で涙を流しながら康介を見ている。


康介「なんだよその目。見んなよ。そんな目で俺を見るなよ!」


康介はゆうみの顔を両手で掴み、力ずくで笑顔を作る。


康介「笑えよ。俺を見て笑えよ!先生!って、嬉しそうに言ってくれよぉ!」


康介は悲しそうに真っ赤な顔で涙を流している。ゆうみも恐怖で涙を流しながら康介を見ている。ゆうみの顔は、口角は上がっているものの、顔全体は恐怖でいっぱいになっている。


康介「ゆうみ、頼むよ、笑ってくれよ!はい、私もずっと先生の彼女になりたかったんですって、嬉しそうに言ってくれよぉ!!!本当は、私も先生のこと気になってたんです、夏休み中、ずっと一緒にいられて、沢山話ふってもらえて心底幸せでしたって、愛嬌いっぱいに言ってくれよぉ!!!!なんで俺だけなんだよぉ!!!!なんで思いを寄せてるのはいつも俺だけなんだよ!!!なんで俺は相手にされないんだよぉ!!!!!」


康介はとうとう泣き崩れしてしまう。その過程でゆうみの顔を離し、声を上げて泣きながら地面に蹲る。ゆうみはあまりの衝撃に言葉を失っている。ドアがドンドン叩かれる音がする。


講師1「おい!何やってんだ!?おい田中!新条!中にいるのか!?大丈夫か!?」


ドアがドンドン叩かれ、ドアノブがガタガタ動かされている。ゆうみは激しく呼吸しながら立ち上がる。すると康介がガッチリゆうみの足首を掴む。


康介「ゆうみ、、、」


康介は激しく呼吸しながら続ける。


康介「ゆうみ、、、頼む、俺のことが好きじゃないなら、せめてここで一緒に死んでくれ」


ゆうみは恐怖に満ち溢れた表情でドアに向かって走ろうとするものの、康介に足を引っ張られ、ドアの前で倒れてしまう。ゆうみは泣きながらドアを見る。


ゆうみ「助けてください、、、田中先生が、、、」


講師1「新条か!?待ってろ!すぐに行くからな!」


康介は血走った目でドアを見る。


康介「入ってくんなクソぉ!!!こうやってゆうみを助けて好かれるつもりだろ!!!ふざけんじゃねーよぉ!!!俺がどれだけゆうみのこと思って過ごしてきたと思ってんだよぉ!!!」


康介は上体を起こし、ゆうみの足首を引っ張りながら、片方の手でゆうみの太ももを掴み、ゆうみが仰向けになるようにひっくり返す。ゆうみは恐怖で泣きわめいている。康介は四つん這いになってゆうみに近づいていく。


康介「泣くなよ、頼むから泣くなよぉ~」


講師1「おい田中!ただおかねーからなクソ!」


ドアにタックルしている音がドンドン聞こえる。康介はゆうみの真上からゆうみを見下ろしている。


康介「もうお互い終わりだね。俺はもう日常には戻れない。まぁ、戻りたくもないけどな。若くて可愛い女に相手にされないこと24年、もう沢山だ!もう、これが叶わないんだったら生きてる意味なんてないよ。俺がどれだけ頑張っても。髪型を変え、服装を変え、挙句の果てには自分が一番大切にしているものに使う時間までをも犠牲にして、完全に自分を殺しまでしたのに、誰一人、俺を男として見てくれなかった。女はどいつもこいつも俺を使えねークズのような目で見る。年上からは勿論、同い年からも、、、」


康介は自嘲的に声高らかに笑いながら、じっくりゆうみの目を見る。


康介「まさか、クソガキにすら、使えねークズのような目で見られるとはな。笑っちゃうな!」


康介はさらに自嘲的に声高らかに笑い、目から涙がポロポロ溢れている。そのうちの何粒かがゆうみの頬に落ちる。康介は深呼吸をし、数秒前とは少し違う目つきでゆうみを見る。


康介「まぁ、使えねークズのような目で見られて、男として見られねーんだったら、俺がいかにお前を超える力を持っていて、いかにオスであるか、身をもって体感してもらうしかないよな」


康介は少し狂ったように笑いながらゆうみの首を両手で掴む。ゆうみは懇願するように涙を流しながら康介を見ている。


康介「今さら見つめてきてもおせぇんだよ。なんだ、俺と付き合うか?」


少しの沈黙の後、ゆうみは涙を流しながらコクりと頷く。康介は激しく動揺した様子で何回も瞬きする。康介は深呼吸をしてから唾を飲みこむ。


康介「本気か、本気で俺と付き合いたいのか?」


ゆうみは静かに頷く。康介は興奮した様子で笑う。


康介「本当か?俺のオスとしての力を思い知ったか!?」


ゆうみはまた静かに頷く。康介はこの上なく興奮した様子で笑いながら叫ぶ。


康介「よっしゃあああ!!!!!!!!」


康介は大きくを腕を上げ、天井を見上げながら叫ぶ。


康介「ああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ゆうみが俺に惚れたぞおおおおお!!!!!!!!!!おおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!」


康介は息を乱しながら満面の笑みでゆうみを見下ろし、顔を近づける。


康介「大好きだよ、ゆうみ」


康介はゆうみの顔を優しく触る。


康介「ありがとう、ゆうみ。本当にありがとう。こんな気持ち、生まれて初めてだよ。本気で愛してる」


康介はそのままゆうみを強く抱きしめる。康介は込み上げてきた様子で泣きながら口を開く。


康介「ありがとう、本気でありがとう」


ドン!と大きな音が鳴り、目の前のドアが一気に康介の上に落ちてくる。


康介「ああ!!」


康介は苦痛に満ちた表情でドアの下敷きになっている。康介は必死に両手両足を地面につけ、ゆうみに体重をかけないようにしている。部屋に2人の警察官が入ってくる。彼らはドアを康介の上からどかし、一気にゆうみから引き剥がして立たせ、手錠をかける。康介は警察官2に抑えられている。講師1が部屋に入り、ゆうみに駆け寄る。


講師1「本条!大丈夫か!」


講師1はゆうみをゆっくりと起こし、康介から距離のある位置に座らせる。


警察官1「それでは我々は行きます」


講師1は警察官1を見る。


講師1「ありがとうございました」


警察官1は敬礼をする。


康介「ちょっと待ってください、僕とその子は正式に彼氏彼女となりました。僕が逮捕される理由はないはずです」


康介は警察官1を睨みつけている。警察官1は康介を見た後にゆうみを見る。


警察官1「これは本当ですか?」


ゆうみは下を向いている。康介は情熱的にゆうみを見ている。


康介「そうだよな、ゆうみ!さっき俺の告白をオッケーしてくれたよな!?俺、何度も確認したもんな!?」


ゆうみは泣きそうな様子で目を瞑って下を向く。


康介「おいゆうみ!ゆうみ!」


講師1は優しい表情でゆうみを見ている。


講師1「大丈夫だ本条。警察官が2人、あと一応私もいる。正直に言って大丈夫だぞ。奴の言ってることは本当なのか?」


ゆうみはゆっくり目を開け、首を横に振る。


ゆうみ「違います」


康介はショックを受けた様子でゆうみを見る。


康介「おい、おい!!!!嘘つくなよ!!!さっき頷いたじゃねーかよ!!!!」


ゆうみ「首を絞められそうだったので、、、」


講師1は真剣な顔でゆうみを見てから警察官1を見る。警察官1は頷き、警察官2を見る。


警察官1「行くぞ」


警察官2は頷き、2人は康介を連れて部屋を出る。康介は激しく抵抗する。


康介「おい待てよ!ちげぇーんだよ!!!本当は違うんだよ!!!!照れてるんだよ!!!俺のオスとしての力を体感したんだよゆうみは!!!おい!!!ゆうみ!!!ゆうみ!!!!!素直になってくれよ!!!ゆうみ!!!!」


康介の声が遠のいていったところで、講師1は優しい表情でゆうみを見る。


講師1「よく言ってくれたね。ごめんな、すぐに助けられなくて。やっぱり警察には敵わないな。ケガはないか?」


ゆうみは静かに頷く。


講師1「よかった。一人で帰れそうか?親御さんを呼ぼうか?」


ゆうみは講師1の顔を見る。よく見ると、講師1はとてもハンサムな顔をしている。


ゆうみ「いえ、1人で帰れます」


ゆうみは照れた感じに笑う。


ゆうみ「でも、ちょっとお腹空いちゃったみたいです」


講師1「あ、ああ、お腹か。何か美味しいものでも食べて帰るといい」


ゆうみ「はい、でも、、、」


講師1「うん?」


ゆうみ「できれば、先生と一緒がいいです」


講師1「え?」


ゆうみ「先生と一緒に食べたいです。こんなことがあったばかりですし、1人は、、、」


講師1「あ、ああ、そっか。確かにそうだな。じゃあ、、、」


講師1は誰かに聞かれていないか後ろを確認した後にゆうみを見る。


講師1「今回だけ特別に、一緒に美味しいものでも食べに行くか。私のおごりで」


ゆうみは笑顔になる。


ゆうみ「はい。ありがとうございます。あと、助けて下さったことも、本当にありがとうございます」


講師1はゆうみに見つめられ、少し照れた様子で笑う。


講師1「いや、別に。講師として生徒を守った。当然のことだよ」


ゆうみは人懐っこく笑う。


講師1「じゃあ、行こうか、立てるかい?」


ゆうみはしっかり頷く。


ゆうみ「はい!」


ゆうみは立ち上がり、講師1と一緒にドアの方に歩く。


ゆうみ「次は先生に教わってみたいです」


講師1「お、全然、希望を出してくれれば喜んで」


ゆうみ「やったぁ~、すぐ出します!」


講師1は笑う。


講師1「おお、ありがとう」


ゆうみは楽しそうに講師1を見ながら少し体を講師1に密着させながら歩いている。講師1はまんざらでもなさそうな顔でゆうみを見る。2人は部屋を出ると講師1が立ち止まり、内側に倒れているドアを見る。


ゆうみ「どうしたんですかぁ~??」


講師1はゆうみを見る。


講師1「この部屋はもう封印しておきたいなって思ってね」


ゆうみ「そうですね、あいつのことはもう二度と考えたくないです」


講師1「うん、そうだよな。二度と今日のようなことがないように、僕らもより一層気を引き締めるよ」


ゆうみ「はい、でも、別に先生だったらありですけどね」


講師1「え?」


ゆうみは講師1に近づき、小声で言う。


ゆうみ「先生に突然告白されたら、全然オッケーですけどね。てか、寧ろ大興奮です」


講師1は辺りを見回してからゆうみを見て小声で言う。


講師1「真面目に言ってるのか?」


ゆうみは煽情的な表情で講師1を見上げながらうん!と頷く。講師1は興奮した様子で部屋の中を見てからゆうみを見る。


講師1「俺ちょっとこん中に忘れもんしたかも」


ゆうみは嬉しそうに笑う。講師1は何かを伝えるような目でゆうみを見てから部屋の中に入っていく。


講師1「あれ~、どこやったっけな~あれ」


ゆうみ「もう先生、だらしないんだからぁ~」


ゆうみも追うように中に入っていく。講師1は床に倒れているドアを見る。


講師1「この下かもな」


ゆうみ「確かに」


講師1とゆうみは興奮した様子でお互いを見る。講師1はそのままドアを持ち上げ、勢いよくドアを部屋の入口にはめ込む。ドアで部屋の中が一切見えなくなる。

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