愛しの眠り・・・・姫?!~『眠り姫』の攻略~

平 遊

第1話 抜群のバッドタイミング

 悠:しじょー・・・・しじょーっ

 四:んあっ?あっ・・・・寝てた俺っ!

 悠:ごめん、遅くなって。連絡、入れたんだけど・・・・

 四:ああっ!悪ぃ、爆睡してて全然気づかなかった!・・・・実は昨日、徹夜でレポート書いてて、さ

 悠:そう。できた?

 四:ああ。今日無事提出してきた

 悠:そっか

 四:あっ、じーちゃんとばーちゃんには

 悠:もう、ご挨拶お参りした。ちょっと、久し振りになっちゃったから、ごめんなさいって

 四:仕方ねぇよ。前はなぁ、この家にいたの俺1人だったからな。今はこの家ここ、親父とかーちゃんも戻ってきたし、別に俺は構わないし多分親父もかーちゃんも気にしないとは思うけど、お前は前みたいに自由に出入りとか、気が引けるだろうし、さ

 悠:うん。ねぇ、これもう、返した方が・・・・

 四:合鍵?いいよ、持ってろ

 悠:でも

 四:今日みたいに親父達がいない日は、今みたいに俺が寝てたって、入って来られるだろ?うちの両親旅行好きだから、これからもしょっちゅう旅行で家空けるだろうし

 悠:・・・・でも

 四:『でもでも』、うるさいぞ?


 chu☆


 悠:なっ・・・・

 四:るい・・・・

 悠:・・・・なつき


 ・・・・ぐぅ


 悠:・・・・っ

 四:腹、減ってるのか?

 悠:・・・・うん

 四:何食いたい?

 悠:オムライス

 四:待ってろ、今作って来る


 トントントントン・・・・・


 悠:何でこんな時に鳴るかな、おなか・・・・


 四:ゆうきー、できたぞ・・・・っと


 スゥスゥ・・・・zzz


 四:ですよねぇ・・・・さすが『眠り姫』。いやいや、せっかくできたてだし。おいコラ悠木起きろ。オムライス出来たぞ


 ムクリ


 悠:うん

 四:起きたか?

 悠:うん

 四:食えるか?

 悠:うん

 四:・・・・その前に


 chu☆


 悠:・・・・っ?!

 四:する、か?

 悠:・・・・うん

 四:るい

 悠:なつ、き・・・・


 ・・・・ぐぅ


 四:・・・・ははっ、ムリそうだな

 悠:・・・・お腹、空いた

 四:うん、俺も。冷めないうちに、食おうぜ。

 悠:うん


 四:相変わらず、いい食いっぷりだなぁ

 悠:え?

 四:褒めてんだぞ?

 悠:しじょーのご飯、おいしいから

 四:・・・・俺、主夫になろうかなぁ?

 悠:うん

 四:えっ?

 悠:え?

 四:え?、じゃなくて。俺、誰の主夫になるんだよ?

 悠:私・・・・の?

 四:何で疑問形?で、なんだ?こんなプロポーズ有りなのかっ?!

 悠:・・・・がんばる

 四:何をっ?!

 悠:しじょーを養う

 四:・・・・俺コレ、喜んでいいんだろうか・・・・


 四:今日、泊まってくだろ?

 悠:うん

 四:じゃあ、先風呂入れ。俺洗い物片付けるから

 悠:うん



 悠:お先に

 四:悠木

 悠:なに?

 四:起きてろよ?

 悠:・・・・えっ

 四:・・・・な?すぐ上がるから

 悠:・・・・う、ん


ドキドキドキドキ


 悠:そうゆうこと、だよね。きっと、そう、だよね。なんか、緊張、する・・・・


ドキドキドキドキ


 四:あいつ、ちゃんと起きててくれるかな・・・・なんせ『眠り姫』だからなぁ



 四:お待たせ・・・・おっ!起きててくれたのかっ!

 悠:・・・・うん


ギュッ


 四:・・・・るい

 悠:・・・・なつきの体、温かい

 四:風呂上がりだからな

 悠:気持ち、いい

 四:何可愛いこと言ってん

 悠:・・・・なんか、ねむ、た、い・・・・

 四:・・・・マジかっ?!


スゥスゥ・・・・zzz


 四:まったく、可愛い寝顔しやがって。そうだよなぁ、『眠り姫』が風呂上がりに眠くならないわけ、無いよなぁ・・・・もしかして、俺が風呂入ってるあいだ、寝かせておくべきだったのかっ?!


スゥスゥ・・・・zzz


 四:なかなか攻略の難しい『眠り姫』だな・・・・でも、眠たい『眠り姫』と腹ペコの『眠り姫』には、どうしたって勝てねぇよ・・・・くぅっ!

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