ウーバー日記

あきかん

6月某日

 ウーバー配達員を始めた。細かい話はおいおい語るとして、まずは始めた動機を述べていこう。


 自転車が好きだ。正確に言えば、身体を動かすのが好きなのだが、膝を傷めて以降はもっぱら自転車に乗っている。と言っても、大会に出るわけでもなく、イベントに参加するわけでもなく、近所をふらふら自転車で散策する程度である。

 しかしながら、これは飽きた。同じ道、同じ風景、同じ時間をかけてペダルを回すことに虚しくなった。

 自転車を楽しむには3つ必要な物がある。自転車本体、五体満足で健康な身体、そして目的地だ。私には目的地が無かった。

 そこで思い立ったのがウーバー配達員だ。目的地を勝手に見繕ってくれる。彷徨うだけの私にとって、目的地を与えてくれる、というのが最も欲していたものであった。

 そんなわけで、6月から暇な日はウーバー配達員をやっている。これから気が向くままに記録を残していこうかと考えている。


 

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