最終話AV新法に対応するなら

このエッセイも今回で最終話になります。今回は


『じゃあ業界としてAV新法にどのような対応をしていけばよいか』


です。これは私の個人的な考え方になります。一話目でも書きましたが抜け道どころか工夫すれば対応できるのかな?と思ってます。


まず最初に書きましたように


『契約後一年(施行後は二年)はセルではなくレンタルと動画配信(ストリーム配信)を徹底する』


だと思います。


今はクリーンな業界であり、そもそも『出演強要』は存在しません。あるのは『後出しじゃんけん』です。女優さんにプライベートで彼氏が出来ました。その彼氏が「え?AVに出てる?それって本当に?」となり。理由を追求されたらどうしても嘘を言ってしまうことがありますし、それは安易に想像出来るかと。問題のある彼氏なら話はこじれます。


「実は私は騙されて…。仕方なく…」


新しく出来た彼氏に対する優しい嘘をついたら。そうなるとただでは済みません。怒った彼氏は弁護士の元へ向かい相談するでしょう。そうなると女性も引っ込みがつかなくなります。プロダクションも契約した大事な女優さんのフォローのため、普段からしっかりとマメに連絡を取ったり、困っていることがないかと親身に接します。そういうやり取りのログが残っていようがものすごい言い訳を弁護士に証言します。それがこの業界の『出演強要』の真実です。「気が変わる」、「気が変わったことにさせられる」とはこういう意味です。


今はそういうのも聞きませんね。業界が一丸となってクリーンな活動を続けてきたからだと思います。


セルに頼らないやり方はこの時代に通用するか?またセルに匹敵する利益を出せるのか?が問題になってくると思いますが先に書きましたやり方でクリア出来ると私は思ってます。


このAV新法の問題点の一つである


・正当な契約も一年以内(施行後は二年)なら反故に出来る


で発生する『作品を回収しなくてはいけない』はクリア出来ます。


大手メーカーであるP(このメーカー様は契約から販売まで二か月と早いです)は早くから独自の配信サービスを行ってきました。


また大手レンタルビデオ店TもAVメーカーKを直接ではありませんが実質運営しています。動画配信も取り入れてますし、そのやり方は一つのいいモデルだと思います。


今では主流であるVODとの提携など。あの手のサービスはどの利用者がどの作品をどれだけ視聴したかをすべて把握してます。映画に置き換えて想像してみてください。新作は映画館で観るのでしょう。そしてDVD販売を待ち、レンタル開始を待ち、テレビで放送されるのも待ちます。映画館で作品を個人が勝手に撮影したものをネットにあげて大問題になった記憶があります。それぐらい管理が徹底されてます。VODと提携すること(すでに月額定額見放題のサービスにAVをコンテンツの一つとしているところもあります)が作品の管理も徹底されると思いますし(そもそもまったく意味のないAV新法のためだけの対応であり、今まで通りセルで販売するのが最善であり問題もないと思いますが)、大手VODはセルに匹敵する金銭を支払ってくれると思います。何しろ専属契約、そこでしか観れないとなると大きな武器となり得るのは容易に想像出来ます。ファ〇ザ(D〇M)が動かないならそういう動きをメーカーが独自にすればクリア出来ると思ってます。


セルの利益は今でも莫大です。しかもクリーンです。それを潰しにかかる国の考え、やり方が混乱を招いているとしか言えないと思います。


そして問題点その2の


・FC2での個撮した作品の無断配信


これこそ海外にサーバーがあろうと現地の弁護士と連携し(国によって法律が異なりますので。某巨大掲示板と仕組みは同じでサーバーが海外にある場合、現地の弁護士との連携になります)、国の総力をあげて規制し、追求することは可能です。なにしろ一時の漫画村問題は大手出版社や声の大きい方が団結し、国も素早く動き解決した前例があります。動かないのは怠慢と言っていいと思います。


支払ったギャラは一円も返さなくていいという問題もギャラの高い単体女優さんや企画単体の女優さんクラスで契約を反故にすることはちょっとあり得ないと思いますし、考えづらいですね。可能性として限りなく0に近いと思ってます。気になるのはそういう女優さんに新人さんが共演、もしくは総集編の場合です。それも共演イコール大型新人女優さんであり可能性として問題にはならないでしょう。総集編はもっと簡単です。総集編の販売は契約から一年後に発売すればクリア出来ます。


今回はここでこのエッセイを終わりたいと思います。他にも世に出てる情報と違う部分が多々あるように感じますが。最後になりましたが私はAVが大好きです。日本のAVは世界一のクオリティだと思ってますし、実際の評価もそうだと思います。だからここまで今回は書きました。ここまで読んでくださった方が正しい情報を発信していただければ書いた意味はあったと思います。


                        工藤千尋

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AV新法について(これが現実かと) 工藤千尋(一八九三~一九六二 仏) @yatiyo

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