『転生』

 オレの名前は『流石りゅうせき ひかる』……もちろん本名じゃ無い。 ……本名は『土尻どじり 茂太しげた』……いや、この名前は忘れてくれろ。


 俺は、某ホストクラブで一、二を争う売れっ子なんだ。


 ……ただ最近『新型サターンウィルス』とか言う病気が流行って、その『マンボウ』対策? のせいで、営業を自粛することになっちゃった。


 ……暇になったから、あっちこっちで夜通し遊んでいたら、どこかでサターン肺炎に感染しちゃったらしく……


 ……気付いたら……死んでた。


「土尻 茂太よ……」


 ……うわっ! こっ、怖ぇ〜〜! 何か、マンガで見たことがある、エンマ大王? にそっくりのデカい奴が眼の前にいた。


「は……はひ!」……やべっ、噛んだ


「お前は悪人では無かったから、転生させてやろう。 生まれ変わったら何になりたい?」


 ……てっ! 転生ぃ!?


 転生……って言えば、無敵の生命体に生まれ変わって無双になれたら、今度は幸せな人生が送れるかな?


「はい! 『スラ○ム』に生まれ変わりたいで〜す」


「馬鹿者、それはフィクションだ! もっと現実を見ろ」


 ちぇっ! 


 ……現実かあ……


「で、では、オレ『王子様』になりたいです」


「『王子』か……よし『月の王子』と言うポジションがいているから、そこに転生するが良い!」


 ……! 『月の王子』! かっけぇ〜


「お願いします!」



 ……気が付いたら……


 ……俺は植木鉢の中にいた……。


 ふと横を見ると……『月の王子(セダム)』と、マジックペンで無造作に書かれたプラ板が刺さっている。



 ……確かに『月の王子』に転生したみたいだけど……。


 ……これって詐欺じゃね!?

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