お家に帰ろう

夕陽が溶けそうで

帰り道

少しいつもと違う風景

溶けて

吸い込まれそうで


怖くなって

君の手をつなぐ


うちに帰ろう

いつも歩くこの道


汐が満ちて

今宵は満月

青白い光の夜

ランタンで照らすように

もの悲しくて、寂しくて


君の手を握りたい


お家に帰ろう

君と帰りたい


ちょっと溢れそうな感情なら

帰り道に置いていくから


お家に帰ろう

君と帰ろう


並木通り

葉っぱが揺れる


お家に帰ろう

君の手をつないで


満ち足りている

でも 足りない

たらない


手をつなごう

手だけじゃ足りない

言葉だけじゃ、まるで足りない


お家に帰ろう

掌を重ねて

唇を重ねて


ゆだねた言葉は

溶けるから


たりない

たりない

まだ、たりない



だから早く――



「お家に帰ろう」



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