〜異世界に転生しました〜4話

「おばさん!お会計お願いします!」


「はいよー」


「あ、お金」


「大丈夫よ。私が出すから」


「あ、ありがとうございます」


すっかりお金のことを忘れていた。どこの世界でもお金は必需なのに。


「さてと、どっか行きたい?」


店を出てライが言う。


「まずはお金を貯めたいです」


それを聞きライはニコっと笑い


「ほら自然とやりたいこと思いついたじゃん」


「確かに」


「それじゃあ…ルーミはスキル持ってる?」


「スキル?ああ、うん」


「どういうスキル?」


「確か…剣術と武術の才能とリカバリーの能力だったはず。アヤに決めてもらいました」


ライはうーん、と首を傾げてからなにか思いついたようでキラキラとした目でルーミを見た。


「それじゃあギルドとかどう?ルーミのスキルはほとんど対戦とかにふさわしいから!ギルドだったらたくさんお金稼げるよ!」


「へぇ…面白そう…!!異世界ときたらギルドですね!」


「じゃあそうしましょ!早速募集しているところを探そ!」


ご機嫌よくライが歩き出す。それにルーミも着いていく。


「あ、私のスキル言ってなかったね。私は瞬間移動と無空間よ。詳しく言うと瞬間移動はそのまんま。ルーミを助けたときも瞬間移動を使ったのよ」


「あ、だから気づいたら路地裏にいたのか」


「ええ、そうよ。あと、無空間は空間を歪ませてそこに色々と入れられるのよ。自分が入ることだってできるわ」


「す‥凄い…」


「それほどでも~」


ライは照れているのか顔が少し真っ赤になっていた。


「あ、見えてきたよ!あそこ」


ライが指を指したのは古い館のような家だった。


中に入ると図書館のような静かで落ち着ける空間が広がっている。


「あの、すみません。ギルドを結成したいのですが」


「何人だい?」


「二人です」


「それじゃあ作れないさせめて三人は必要だ」


「そんな~」


ライががっかりしているところをルーミは慰めた。


「ごめんね。あと一人必要だって‥」


「大丈夫ですよ。じゃあもう一人見つければいいんですね」


ちょうどその時隣で一人の男の子が騒いでいた。見た目から同い年くらいだ。


「だ、か、ら、なんで一人じゃだめなんだよ!」


「一人では何かあったときに危険なのでせめて三人必要なんです…」


「大丈夫だよ!」



「ねえ、ライ。あの子入れたらどうかな?」


ルーミは男の子を見ながら言う。


「え?あって間もないのに?」


「うん…」


「…わかった。ルーミが言うなら。ルーミの意見は貴重だもんね」


立ち上がり男の子に話しかけに行った。


「あの…」


「んだよ!」


「もしよかったら私達とギルド組みません?」


ライは恐る恐る言う。


「なんでだよ!俺は一人で組むんだ!」


「だって一人だと組めないって言ってるじゃないですか」 


横からルーミが話した。


「私達もギルドを組もうと思ってたんです。けど、あと一人必要。それで、あなたはギルドを組みたいけどあと二人必要。私達が組むことによってどっちもメリットがあるじゃないですか」


男の子はうぬぬ、顔をしかめてため息をつき


「…分かったよ。組めばいいんだろ?組めば」


「ありがと!」


「やったね!」


ライとルーミは二人でガッツポーズをした。


ギルドに申請してから級をもらった。みんな最初はD級。そこから魔獣などを倒してポイントを稼ぐ。そして、級が上がるということだ。


「早速何にしよっか!」


ライは誰よりもウキウキしながらポスターを見る。


「あ、それより、名前聞いてなかったね。私はライよ」


「私はルーミ」


「俺はイリスだ」


「これからよろしく、イリス」


ルーミが手を出す。イリスはフンといいルーミの手を無視した。


照れ屋さんなんだ、と笑うと


「なんだよ!」


と怒られた。

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