かわいい、かわいい。
#まのの
第1話 私がまだ可愛くなかった頃の話。
私は、比較的裕福な家庭に産まれた。
家族は母親と父親、兄が1人。
幼い頃の私は活発だった、と母からよく聞く。
兄の水泳帽を被って不敵に笑って喜んだり、眠いのに歩いていたら柱に頭をぶつけ縫った事もある。あとは祖父母宅の畳の間で走って転び、オセロの入った箱に額をぶつけて流血沙汰になったりと、書き出したらキリがない。
幼い頃の私は自由だったのだなと、書いていながら羨ましく思う。
今の私は自由とは言い難い生活をしているからだ。
どうしてこうなってしまったのか。そんな事は考え出したらきっと、産まれた事から悔やんでしまうので無駄な事だ。
話が脱線したが、当時の私は所謂"お転婆"。
親の事をヒヤヒヤさせたり怒らせる事なんてざらにあって、それを悪いと理解ずらしていなかった。
結局は自由を繰り返して、頭をぶつけて流血するのが幼い頃の、まだ可愛くなかった頃の私だ。
私が徐々に己の自由よりも他者の顔色を伺い、可愛く良い子であろうという呪いにかかるのは幼稚園に入った時に始まった。
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