6-1

あの事件から数日、その時はやってきた。

付属高校特有の統一テストだ。

公立では絶対ありえない私立、特に大学付属の高校にのみある統一テスト。

それも二学期というイベント盛りだくさんな時期に突っ込んでくるクソ行事。

おかげで月一テストというクソ日程だ。

このテストで大学にエスカレーターで行けるかが決まってくる。

自分の場合は決まっているといっても過言ではない順位を取っているので問題はない。

しかし、落とすわけにもいかない為テスト一週間前である今日から部活は停止だ。

その為私は真っすぐに駐輪場に向かう。

「ちょっと、ちょっと、ちょっと!待ちなさいよ!」

「なんだ、可奈芽。さっさと帰って勉強しないと落ちるぞ?」

「いやいやいや、転校したばっかで何もわからないのに放り出すつもりなの⁉」

「そうは言われてもやれることなんて特にないし・・・」

「いいからあんたの家に行くわよ!勉強会しよ?」

「は?」

こうして(無理やり)狭い我が家で勉強会をすることになった。

「ところでなんで俺の家なんだ?お前の家でやったほうが広いだろ。それに学年トップクラスの実力を持つ嵯峨野さんもすぐ来れるからわからないところがあればすぐ聞けるだろ?俺よりよっぽど役に立つって。」

「そりゃ・・・、秘密よ!わざわざ言わせないでよ!」

そういいつつ可奈芽の耳は赤く染められていた。

「それじゃ、あんたの家で集合ね!先に行ってて、車を呼ぶから。」

そう言われた為お言葉に甘えて先に行かせてもらう。

部屋を片付けねば・・・

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