学生失格

渡辺赤城

プロローグ

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『恥の多い生涯を送ってきました。』

かの文豪はそういい『人間失格』などという大層な名前の本を作った。

しかし、自分にはかの文豪が人間失格などと言えるような生涯を送ったようには見えない。

自分の方が人間失格と言えるような生涯を現在進行形で送っていると考える。

まだ自分は学生であり大層な事を言えるだけの生涯を送っていない。

それでも学生までの内容を語ることはできるだけの年齢ではあると思える。

よく大人は「青春ができる学生のうちに色々と知っておけ」という。

しかし自分はその青春と言うやつを満足に遂行できていないと考える。

まず青春という意味を調べると「若い時代。人生の春にたとえられる時期。希望をもち、理想にあこがれ、異性を求めはじめる時期。」とある。

だが自分はそのうち幾つ満足に青春出来ているだろう。

まず「若い時代」というがこれは誰でも出来ている内容で遂行出来ている内容に含まれないだろう。

次に「人生の春にたとえられる時期」とあるが、これはその後に出ている「希望をもち、理想にあこがれ、異性を求めはじめる時期。」がその「人生の春」の定義だろう。

しかし自分は「希望を持ち、理想に憧れる」を遂行できていても「異性を求め始める」という点では遂行できていないと思える。

訂正、求めてはいても異性と触れ合えてはいない。

結局、これでは遂行できていないと言っても過言ではないだろう。

つまり、学生らしい青春を送っておらずひいては人間らしい生涯を送れているとは言い難いだろう。

だが、自分もまだ学生なのだから今からその青春とやらを遂行すればいいように思えるが

それには些か時間が足りない。

何故なら自分はもう卒業する5ヶ月後前、登校する時間だけだと3ヶ月間しかない。

そんな短い期間では彼女を作ろうにも時間が足りない。

もし出来たとしても、自分は卒業後県外の大学へ行くことが決まっている。

遠距離恋愛というのは破綻しやすいとよく聞くから結局無駄だろう。

それなら大学で青春すればいいのではと考えてもそれは青春と言えるのだろうか?

大学となればもう成人しているのだから若い時代と言えない気がする。

となるとこの3ヶ月で青春するしかない。

しかしながら自分には仲の良い女子も居なければよく物語で見るような幼馴染みなどという物もない。

それなら部活の女子をと考えても自分の部活には女子など存在しない。

それどころか人数自体片手で数え切れる程という部活と言い難いものだ。

同じクラスに女子は居ても大方誰かしらの彼女であり余り物自体存在しない有様だ。

こんな事態では作りようもない。

学外の生徒をと言っても関わりなど一切なく通学方法も歩きではない為喋ったりなどというイベントも存在しない。

完全な八方塞がりの状態でどう出来ようというのか。

このようにつらつらと書いたがどこからどう見ても人間失格、いや学生失格の生涯な学生だろう。

だが思い返してみると少しも異性とのイベントが無かったかというと嘘であるだろう。

入学直後に突然告られるという事態が2回程あったのも事実だ。

しかし初対面であり顔も合わせた事がなければ話したことも無いような女子と付き合うのは恐ろしく返答もせずにのらりくらりと遅らせているといつの間にかアタックもなくなり完全に女子との関わりも無くなった。

こう考えると自分で青春を放棄したようにも思える。

学生生活が終わるから少しでも青春をしたいと彼女を作るのは傲慢だろうか?

いや、傲慢以外の何者でもないだろう。

もし過去に戻れるなら戻って返答するというのも良いものだ。

だが今見てみると片方は分からないがもう片方はどう見てもメンヘラなのだ。

彼女にしては面倒くさい事この上無かったかもしれない。

だが選り好み出来る身分でもなく家族からも色恋沙汰がなく別の意味で心配され、挙げ句には大学行ったらすぐに彼女を作って結婚しろと言われる始末。

無理でもこの3ヶ月で作るしかないだろう。

と、まぁまたもやつらつらと書いてしまったが考えても無駄というのはこのような事だろう。

「って、何書いてんだろ俺...。高校時代の思い出とか言う課題出されて書き出して見たが

こんなものを出したらどう見ても文豪気取りの痛いやつだよな...。かと言って他に思うつくかと言われたら思いつかないのもまた事実だしなぁ...。どうせ優秀賞以上でも取らなければ全体に見られる訳じゃないしこれで提出するか。」

と言うわけでこれを提出する事に決めたがまさかこんな文章が最優秀賞になり全体的に見られることになった結果、全体的に彼女募集中という称号が付けられたのは言うまでもない。その代わりに...

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