第7話 真実

「……サキ、サキ!!」

パパの声に目覚める。目の前には天井。ここは、家……?

「パパ、ごめん」

「謝るなよ。サキ、凄く苦しそうだったよ。良くパパに電話してくれたね」

パパの言葉は優しかった。ママよりも、お姉ちゃんよりも。

そっと起き上がるとおでこに何かついていた。

「あ、これは冷えピタ。熱あるかもしれないと思ったから」

ここは、パパの家かな? 少し汚れている。「一人暮らしに慣れてないからな」と、パパは苦笑した。

「サキは、どうしてパパを呼んだんだ?別にママでも良かったんじゃ……」

「家に、帰りたくない」

パパは、ぽかんとした。だよね、今までママ大好きなあたしがこんなこと言うなんてビックリだよね。

「もしかして、クローンか?」

図星だった。別にパパにこのことを言うつもりは無かったけど頷くしか無かった。

「僕がママと離婚したのは、クローンが原因なんだ」

「お姉ちゃん……?」

「あ、すまない。サキ、お姉ちゃん好きだもんな」

「嫌いだから、大丈夫」

まるで時が止まったかのように辺りは静かになった。強いて言えば、換気扇がカラカラと回っている音と、時計の秒針。

「クローンのお姉ちゃんが、嫌い」

パパは、「そっか……」とあたしの背中を撫でながら呟いた。

「何か飲む? オレンジジュースならあるけど……」

「うん、1杯欲しいかな」

パパは冷蔵庫からオレンジジュースが入ったペットボトルを取り出してコップに注いでくれた。色々としてくれてやっぱりあたしのパパはパパしかいないと思った。

「僕がママとどうして離婚したか、知ってる?」

何でパパが突然そんなことを言うのか分からなかった。とりあえず、あたしはかぶりを振った。

「実は、クローンが原因で離婚したんだよ」

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