第28話 仲河リエ。
2年後。東京築地ジャイアンツスタジアム。
大観衆を熱狂させるステージ上には、『仲河リエ』がいる。
リエは、2年前に彗星の如く登場してヒット曲を量産し最高のライブパフォーマンスで日本の音楽会の頂点に駆け上がった。
今では誰もが認める日本一のアーティストに上り詰め、次は旧中国諸国圏、東南アジア、旧ロシア東部諸国圏、豪州のアジアサーキットツアーに乗り出すフェイズまで来たリエだった。
アーティスト『仲河リエ』のデビューから2年目の活動の集大成として、新スタジアム柿落としの13万人コンサートを行った。スタンドもフィールドもステージ以外は超満員だ。
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観客の中には、秋山部長夫妻をはじめとする菱菱商事繊維課の面々や近藤夫妻も招待されており、観客達は『仲河リエ』の圧倒的な歌唱力とメッセージ性に裏打ちされたライブパフォーマンスに魅了された。
ステージ横では『仲河リエ』のプロデューサーH@RUKAとレオナルド・クルーズがいた。H@RUKAのお腹は大きくなっている。レオナルド・クルーズは日本を拠点にしてハリウッドやロンドンに単身赴任で映画制作をしている、最近のヒット作はシベリアの大統領が悪党と戦うどこかで聞いた話だ。
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そしてスタジアムのVIPルームには、意識が蘇り若山と健吉に介助される車椅子姿のリエの母、極東連邦共和国大統領になったアレクがお忍びで来日してリエのライブを初めて鑑賞している。アレクの護衛には沖田とトオルがついていた。沖田は公安から警察に転任され、トオルは警察官に転職していた。
沖田がアレクに相変わらずの嫌味を言う「よっ、大統領。初めてのリエさんのステージはどうだい?」
アレクはリエのステージを見ながら言い返す「おい沖田っ、てめーのおかげでリエさんの初ステージ見れなかったんだからな。それに何でお前が俺のSPするんだよっ」
「お前とリエさんが公安、公安って言うんで、隠密行動出来なくなったから警察に転任されて今ここなんだよっ!どうせ明日香さんが嫌がらせでお前のSPに当てたんだ!」反目する二人。
「アレク兄貴も沖田さんもやめて下さい。大統領とSPなんですから、高校生の喧嘩じゃないんですよ」アレクと沖田を宥めるトオル。
アレクと沖田の口喧嘩にオロオロするリエの母に、コレまたお腹の大きな若山歌子が言う「お母さん、無視しといていいんですよ。子供の喧嘩みたいなもんで、仲はいいですから」。
(作者より:失礼しました!若山歌子は、健吉と結婚して島本歌子に変わりました。平にご容赦!)
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