⑥ メイド

 次はぁ……、《メイド》!!

 みんな、メイドは好き? 馴染みがないからこそ憧れるよね。献身的な女の子がかわいらしい服装で一所懸命に働いてくれる姿は、健気けなげで愛着が沸くよねぇ。


 じゃあ最初のメイドさんセリフは、これ。


【ご主人様への忠誠心を、全霊を込めて示してもらおうか】


 ヤマモトさん、ありがと~。ロールプレイに付き合ってくれてありがとね~。

 セリフ考えるね。えーっとぉ……。オッケー。いくよ。


『わたくし、ご主人様をおしたいしております。わたくしのすべてをご主人様に捧げさせてください』


 どうかな? くるしゅうない? よき? よかったぁ。

 今日はみんながミーアのご主人様だよ~。ミーアに言ってほしいこと、コメントでどんどん送ってね~。


 はーい、次はこれにしようかな。


【メイドとご主人様、身分違いの恋愛における葛藤かっとうを聴かせてくれたまえ】


 ヤマダさん、ありがとー。

 承知しました、ご主人様。それでは、さっそく申し上げます。コホン。


『いけません、ご主人様。あなたとわたくしとでは身分が違いすぎます。……よろしいのですか? こんな、わたくしごときを受け入れてくださって……。わたくしは、わたくしめは……世界一の幸せ者でございます』


 こんな感じかな? 葛藤だけどハッピーエンドにしてみたよ。よかった?

 じゃあ次にいくよ。


【ご主人様に密かに恋慕れんぼいだきながらも身分をわきまえて健気けなげに尽くすメイドとして、自分を拾ってくれたご主人様に感謝の言葉を贈ってください】


 タナカさん、ありがとね。けっこう難しいお題を出すね。

 あ、大丈夫だよ。疲れてきてピックアップをミスったとかじゃないよ。大丈夫だからね。

 セリフ、ちょっと考えるね。


 …………。


 はい。考えました。いくよ。よーく聴いててね。


『ご主人様、嬉しゅうございます。わたくし、ご主人様に一生おちゅかえ……』


 わわわ、噛んじゃった。ごめんなさ~い。もう一回やらせて。やり直すね。

 あ~ん、もう、「おちゅかえ」の部分よく聴いてましたとか、そんなのいいから。いまのは忘れて。忘れろぉ、忘れろぉーっ! 忘れろビームッ!!

 ほら、もう一回言うから、ちゃんと聴いててね。オッホン。


『ご主人様、嬉しゅうございます。わたくし、ご主人様に一生お仕えいたします』


 ふぅ……。今度はちゃんと言えたでしょ?

 はい、次! 次ったら次!


【ベビーシッターの役割をこなすメイドとして、このセリフを真心込めて読んでください】


 ヨシダさん、ありがとー。

 え、テンション下がってないよ。ミーアは元気です。でもこのセリフはちょっと気合を入れなきゃかも。

 …………。

 よし……。読むよ。ささやくよ。一回だけだからね。コホン。


『よ~ちよち、いい子でちゅね~。いい子、いい子。いい子でちゅよ~。こ~らっ、そんなとこ触っちゃダメでちゅよ~。私のお胸からはミルクは出ませんよ~』


 もー! こんなの恥ずかしいってばぁー! いじわる! もう知らない!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る