第14話 バイトNo.8 宣公社ルート 森永のお菓子案件②

卒業制作しつつのバイトは、最初こそなかなか慣れなかったが、次第にいかに信用される様話をするかがメインになった。


それこそ、地域とリストがあり、契約してくれそうなリストの名前がいかにも駄菓子屋。それも地域に2箇所だけど両方とも駄菓子屋さん。


これダメパターンだよね〜?

バツ付けてハヤシさんに渡すルートかと思いきや、駄菓子屋さんのおばあちゃん。すぐにOKしてくれて、さらにこの地域のリスト見せたら、もう一件の駄菓子屋さんは友達らしくて、電話して紹介してくれた。


言った先で冷えたラムネをいただき、喉を潤すことができてラッキー。飲んでる間に契約するのを手伝い。


2件で1時間以内で契約終了。



そんな良い時があれば、悪い時はリストには5件もあるものの、不在や、逆に忙しすぎて相手してくれなくて時間がかかり過ぎたり、とにかくOKしてくれたのは3割で、何度も何度も断わられ続けてへこたれそうにもなりました。



地域は大阪の各地で、私が行ったのは北西が尼崎市、北東は枚方市、南西は堺市、南東は藤井寺市でした。

良く行くアメリカ村や梅田付近ならだいたいの場所はわかるし、話をしても聞いてくれる店が多く、やはり土地勘があると違うなと。


尼崎市は後半回って苦労した所ばかりで、バツ印を書いた地域が多くて契約にならなかった為、稼ぎはかなり少なかった。ADROOMのリーダーはじめ、他の先輩も受けようとしなかった意味が良くわかった。


枚方市方向では2つの地域があり、順調にこなして2つ契約できてラッキーでした。

さらにラッキーなのは枚方市の駅前に百貨店があり、その中にインドカリーの「デリー」が支店を出していたから。これはたまたま購入したプレイガイドジャーナルの情報です。


大学受験で高校の先輩の所で滞在してた時に、東京のアメヤ横丁近くのデリー本店で当時初めて食べてのが、この店の「カシミールカリー」辛さ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️。出された水を飲まずに全部食べられたら一皿無料。少しでも水を飲んだら1人分払う。というルールでゲームをした。結果、友人のG君が無事ゲットして無料で食べたものの、顔は真っ赤夜まで舌が痺れてたらしい。でも、このカレーは味が良くてひと目で大好物になったくらい。


で、数年ぶりのカシミールカリーが食べられると、興奮した私。すごく、美味しかった。

店長さんに聞いたところ、やはり店長さんもアメヤ横丁近くのデリーでカシミールカリーを食べて虜になったらしい。どうしても地元の枚方でかこのカリーを食べたくて、短期間で修行して、自分で店を出す事にしたそうだ。



◇◇◇



時々はT子ちゃんがデートがわりに、契約する地域で探したり楽しくバイトした事もあります。



半月で回れる所は回ったのでハヤシさんと会い、契約書を渡して、残った宣材を返して終わり。


後日、連絡があり封筒に入れたバイト代を渡され、


よく頑張ったな、◯◯君。ほんと助かったわ〜。

ダメだった地域の半分くらいはワシやっとくからこれで今回のバイトは終わりや。ありがとな。



この、バイトが終わった辺りで卒業制作も佳境になった頃、とある出来事が元でT子ちゃんと別れる事になり、大学卒業と同時に就職する寸前で内定を辞退して、何も考えられずにバイトをしてました。


多分、この時が精神的に1番キツイ頃でした。


この状況から救ってくれたのは一本の電話。


代理店の課長さん。ハヤシさんでした。

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