第35話 自転車の思い出

 寮の敷地の端じっこに、駐輪スペースがありました。寮生達が個人所有の自転車を置いておくのですが、退社の時に放置していったりするため、ある時スペースが埋まってしまいました。

 当時の教務主任さんはDIY好きで、完全に持ち主がいないと分かった自転車を塗り直したりDIY、4台のレンタルサイクルを作り出したのです。

 まあ、寮生喜んでいたし、それはいいのですが…

 ある日この1台が盗まれました。

 防犯登録とかどうなっていたのか?

 それが分かったのは数ヶ月後。警察からの電話でしたね。

 「お宅の自転車が見つかりました。取りに来て下さい。」

 隣の市じゃん!

 一体何人の自転車泥棒達に乗り継がれたのか?

 って言うか、防犯登録してたんだ。

 仕方ないから、軽トラ借りて取りに行きましたよ。

 で、ここでどうやら補導されたらしい、最後の自転車泥棒のため(?)の調書が必要です。

 「寮の自転車とかにするとややこしいから、先生、盗まれたことにしてよ。」

 ◯年12月25日、クリスマスに外出しようとして自転車を盗まれた、哀れなアラサー女が爆誕したよ(泣)

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