ひとりぼっちの魔女さん

「ふぅ·····たまにはいいですね散歩も」


 いつもは家で本を読んでたり、研究をするのだが今日は天気が良くて何となく外に出たくなりでた。


「·····この木の実今日のご飯に使いましょう!」


 私は木の実を積んでカゴに入れた。


「こういう時は街に出たり·····したいんですけどね〜」


 魔女は普通の人からしたら疎まれたり、憎まれたりする。

 憎まれるのは慣れてるけど、距離を置かれるのは寂しく感じる。


「まぁ街に行かなくてもここにあるもので生活できますしね、ここに住んで人に文句言われないだけ感謝しないとですね」


 私は湖の方に足を向けた。


「ん〜ここはいいですねぇ。あ、こんにちは鳥さん」


 私は木の枝に止まっていた鳥に挨拶をした。

 鳥はピピッと鳴いて応答してくれた。


「·····今日はいい天気ですね、これどうぞ」


 私はカゴに入れた木の実を少しだけあげた。

 嬉しそうにピピッと鳴く。


「喜んでもらえてよかったです·····誰!」


 私は草むらの方から音がして身構えた。


「ここはとてもこわーい魔女の住む森だと知ってるでしょう?さっさとお家にお帰りになってください」


 バタリと倒れたような音が聞こえてきた。

 私は恐る恐る音のした方に向かった。


「·····人ですよね?なんで?」

「·····いた」

「は?·····なんて?」


 青年の声は私に届かず私は聞き返した。


「お腹·····すい·····た」


 そう言って目をつぶった。


「·····ただの空腹ですか·····ちょうどお昼の時間ですし、いいでしょう·····風よ彼を浮かせてください」


 私は青年を浮かせて家に帰った。


(これでよしっと·····自分以外の人のご飯を作るのは久しぶりですね)


 私は鍋に入れてかき混ぜながら思った。


「·····ん、ここは?」

「あ、起きましたか今ご飯を作ってるのでそこで大人しくしててください」


 私は味見をしていいと思ったのでお皿にスープを入れた。


「·····どうぞお口に合わなければ吐くなり捨てるなりなんなりと·····あとこれ薬です傷に塗ってくださいね」

「あ、ありがとうございます」


 青年は戸惑いながら私にお礼を言った。

 そして恐る恐るスープを口にした。


「·····美味しいです」

「それはよかったです·····美味しいこれは·····今まででダントツに美味しい」


 スープを口に運びながら言った。

 私はこほんと咳払いをして話し始めた。


「さて·····貴方はなぜこの森に来たんですか?·····ここの森には魔女がいるでしょう」


 私がそう聞くと青年は俯いた。


「べ、別にそんな傷つけるつもりで言った訳では!すみません言い方キツかったですよね!」


 私が慌てだすと青年も驚いて慌てだした。


「す、すみません!別に傷ついてるわけでは·····ただちょっと思い出して勝手に俺が暗くなったってだけで·····」

「お聞きしても?」

「·····はい、魔女さんは命の恩人ですから」


 俺はここの森の近くの村に住んでいて、毎日働いて過ごしてるんですけど今日は村長が魔女さんに頼みたい事があるからむらに連れて来いと言われました。

 なんでも村長さんの娘さん·····俺にとっては姉みたいな人が不治の病に侵されてるみたいで·····


 苦痛を我慢するかのようか表情をしながら青年は言う。


「·····村に行けばいいんですか」

「·····はい来て下さるならありがたいのですが、魔女さんはあまり俺たちに良い印象が無いと思います·····だから·····無理して行かなくても」

「心配は結構です·····私はずっと一人で生きてきまたした、別に憎まれることには慣れてます·····出発は明日の朝今日はもう休んでください」

「·····はいありがとうございます」

 青年は何か言いたげな顔をしていた。

「何か言いたいことでも?」

「い、いえなんでもありません!」


 私は地下で準備をしていた。


「·····全く心配するなんて·····」


 私はポーチに薬草やら薬を作る上で必要な材料を突っ込んだ。


「私は悪夢のメリー·····心配なんていらない····私はとっても怖い魔女」


 自分にそう言い聞かせて準備をしていた。





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