神の塔

浅貴るお

第1話

 神の塔。

 誰も戻った者を知らない。

 1000年前に建てられたと言われているが、正確には皆知らない。気付いたら、そこにあったのだと言う。


神の塔をジークは眺めていた。すると、男がこちらに歩いて来るのが見えた。

 男は泣いていた。

「おじさんどうしてないてるの?」

 ジークは目の前で涙を流している男に訊いた。

 ただ、男は言った。

「神の塔に登れば分かる」

 ジークはその時、その言葉の意味を理解することができなかった。


 その10年後、ジークは神の塔に登り、真実を知り、男の言葉の意味を理解することになる。

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