ギルバートという男
アーサーを無事取り戻し奴隷商人とその一味を壊滅させたギルガメッシュたち。
その一件の事情聴取を受けていた。
「だから!何度も言ってるだろうが、俺達は弟を連れ去れらたから取り返しに来ただけだって!!」
「じゃあなんだこの状況は!!」
「相手が危害を加えようとしてきたから正当防衛だって!!」
「明らかにやりすぎだ!!」
ギルガメッシュは衛兵に説明をするがそれで納得してもらえるはずもなく事態は混乱を極めた。
「とりあえず同行願えるか?」
「......しょうがねえなあ」
という事でギルガメッシュたちは王城のすぐ近くにある兵舎に連れてこられた。
「まずは自己紹介から、私の名は
「俺はギルガメッシュ・ビルフォード。....シンドー?珍しい名だな。」
「この国の生まれじゃないからだね。では詳しい話を聞きたいんだが?」
「話も何も説明した通り。弟に危害を加えられたから攻撃したそれまでだ。」
「そうよ。ララたちの大事なアーくんを...」
「だとしても!君たちがやったことは立派な殺人だ。君たちには特定犯罪抑止法が適用される可能性がある。」
「特定犯罪抑止法?」
「ああ、特定の犯罪、つまり殺人を犯した者はあらゆる権利がはく奪される。自首する場合を除いてね。」
「なるほどな。つまり俺達は殺される側という事だな。」
「自首を勧める」
「悪いが素直に受け入れるつもりはない。」
今にも戦闘が起きそうな空気が流れる。
「失礼します!!」
バタン!と勢いよくドアを開け、ひとりの兵士が入ってきた。
「報告!!先ほど騒動がありました現場を捜索していたところ、奴らは犯罪集団『ミスト』である可能性が高いかと!」
「何!?それは本当か!?」
兵士と新堂は興奮した様子で会話を続ける。
「え~、今回の一件は相手が殺人、誘拐、強盗、何でもありの極悪犯罪集団だったため、特定犯罪抑止法が適用され君たちは罪に問われない。」
「犯罪集団?」
「ああ、ここ数年、犯罪集団『ミスト』を名乗る連中が様々な犯罪を起こしてきたんだ。我々も必死になって探したが、一向に手がかりを掴めず苦労していたんだ。」
「で!俺らが倒したのがそいつらだったわけか。」
「その通り。」
再びドアが勢いよく開くと、そこには随分とデカい男がいた。
「ここか!?その面白そうな奴がいるってのは!」
「ギルバートさん!?どうしてここに!」
そうその男はかつての勇者と共に戦った戦士。ギルバート・シュバルツ・ラインハルトだったのだ。
「町でえらい騒ぎが起きてるから話を聞いたら、面白いことになってるって思ってな。」
「よっ
「ギルガメッシュ!お前だったか!」
「ギルバート様、大変お久しゅうございます。」
「ヨルさん!本当に..久しぶりだな」
ギルバートは声を震わせ言った。
「ギルバートさん。お知り合いですか?」
「まあな。後は任せな。」
「ではお任せします。」
「おう!」
新堂は町に戻っていった。
「ここじゃアレだから、みんな俺のギルドに来いよ。」
「え!いいの!?」
アーサーが興味津々な様子で言った。
「もちろん!アーサー、はじめましてだな」
「うん!はじめまして」
ギルガメッシュたちはギルバートのギルドに移動した。
「改めて自己紹介だ。俺はギルバート・シュバルツ・ラインハルト。このギルド『マキシマ』のギルド長をやっている。気軽にギルバートでいいぜ!」
「私はエリザベス・ビルフォードです。」
「は~い!ララはねララって言うの!」
「アーサーです。アーサー・ビルフォード」
「お前らは魔王城に住んでいるんだろ?」
「魔王...城....?ララわかんない。」
「俺達が住んでる家の事だよ。」
「そう!お前らが住んでいるあの家は昔、魔王が住む城だったんだ。それがお前らの親が魔王城に住むってい言い出してな。全くあの時はびっくりしたぜ。」
「へえ~」
「さて本題に移ろう。.....お前たちが起こした騒動についてだ。」
「そのことはもういいだろ」
「よくない。お前らはずっと魔王城に住んでいたんだろ?だからあまりこの世界を知らない、違うか?」
「エリーとララ、そしてアーサーは外の世界を知らない。俺は知っての通りここで冒険者をやっていた。だから多少知っている。」
「今回の件はたまたま相手が犯罪集団だったから罪に問われなかっただけだ。」
「・・・。」
「家族を傷つけられたとしても人は殺すな。」
「わかった。」
「ギルガメッシュ、両親がいない間はお前が家族をまとめるんだ。自分の行動に責任をもて」
「ちょっと待ってよ!!
「エリー、落ち着け。お前にもララにも命令したのは俺だ。だから俺が悪い」
「でも.....」
「力の使い方を間違えると破滅を招く。ギルガメッシュ、エリザベス、ララ、肝に銘じておけ。」
「「「はい!」」」
三人は声をそろえて言った。
「よし暗い話はここまでにして宴だ!」
ギルガメッシュたちは宴を楽しんだ後、ヨルさんに乗って家に帰ることになった。
「兄さん....今日の事ごめんね。わたしのせいで....」
「何度も言っただろ?俺の責任だって、だからそんな顔するなよ。」
「.....うん」
「皆さん、もうすぐ家に着きますよ。」
「今日は色々あったから早く眠りたいぜ」
城に着き中に入るとそこには人影があった。
「家に入ったら誰もいないから何事かと思ったよ。ね!ソフィア」
「そうね。心配したのよ」
「親父!?それにお袋!?」
次回に続く。
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