対決!犯罪集団!!

アーサーが突然いなくなり、ギルガメッシュたちは焦っていた。


「すみません、ギルガメッシュ様。アーサー様の警護を仰せつかったのに。」


「とりあえずアーサーを探しましょう。エリー、探せるか?」


「やってみる。」


エリザベスは探知魔法を使いアーサーを捜索する。


「ダメ。この国を探してみたけどいないみたい」


「.....やっぱり魔法の影響下にあるのか」


「うん。微かだけど魔法の痕跡があるわ。」


「よし。早速、痕跡を辿ってアーサー取り返すぞ。」


「ギルガメッシュ様。これを!」


ヨルさんの手の中には小さな紙切れが握られており、そこにはこう書いてあった。


「我々はミストである。」


「どこの誰か知らねえが舐めたマネしやがって。」


「え~ん。私のアーくんどこに行ったの~!!」


「ララ、泣くな。俺たちのアーサー世界で一番尊い弟を誘拐した罪は必ず清算させる。アーサーも無事取り返す。だから泣くな」


「うん.....」




場面は変わりアーサーは人攫いに攫われていた。


「へっへっへ、こんな上物がいるなんてラッキーだぜ!!」


「うぅ....」


アーサーは縄で両腕を縛られ身動きが取れない状態で抱えられていた。


「へっへっ助けを願っても誰も助けに来ないぜえ?俺様の魔法には誰も気づけないからな。」


男はアーサーを連れて路地裏にある人気のないバーのようなところに入っていく。


「ボス、今帰りましたぜ。」


「遅ぇぞ!!シン」


「すみません。売れそうなガキがいましてね。」


シンと呼ばれる男はアーサーを椅子に座らせた。


「誰だこのガキ。どこで拾ってきた?」


「攫ってきたんですよ。ボス」


「馬鹿野郎!!。人攫いはやめとけって言っただろうが、足がついたらどうすんだ?」


ボスと呼ばれる男は大声で叫んだ。


「へっ、俺の魔法を見破ることができたならそいつは賢者クラスの魔法使いでしょう。そんなやつ今の世の中にはいませんよ」


「そりゃあそうか、でも確かに、こいつはつい見とれちまうような容姿だな。」


「お前らなんか僕がやっつけてやる!!」


アーサーは男に蹴りを入れ、震える脚、声を抑えながら言った。


「あ?てめえ。今なんつった?」


「ボス、落ち着いて。商品ですぜ。」


「お前らなんて僕がやっつけてやる。僕が....僕が......」


「ハーハッハッハ!!何を言い出すかと思えば、どうやって俺達を倒すって!?お前みたいなガキが俺達を倒せるわけないだろ。馬鹿すぎて笑いが止まらなねぇな。」



「馬鹿は貴様らの方だ。」


ドガン!!、と大きな音をたて壁が爆発するとそこには鬼のような顔をしたギルガメッシュ、エリザベス、ララ、ヨルさんがいた。


「お兄ちゃん!」


「お前らは愚かにも、俺たちの大切なアーサーを攫った。そして傲慢にもアーサーと会話を交わした。さらにはその汚い手でアーサーに触れた。挙句の果てのアーサーに対する暴言の数々。貴様らは極刑に値する。」


ギルガメッシュは激しい怒りを抑えながらそう言った。


「何言ってんだぁ!?お前らやっちまえ!!」


男は周りにいる部下たちにそう言った。


「アーサー大丈夫か?」


ギルガメッシュは一瞬で部下たちを薙ぎ払い、アーサーのもとに駆け寄るとそう言った。


「大丈夫!!ありがとう!!」


「ヨルさん、ララ、アーサーを頼む」


「うん、任せて!」


「仰せのままに」


「みんな、手段は問わない。こいつらに生まれてきたことを後悔させてやれ」


「了解。氷結魔法、死の冷気コンダーナ・フリッテ。」


エリザベスがそう言うと部下たちの足元に魔法陣が現れ脚から凍り始めた。


「何だこれ!?」

「うわあ!?」

「助けてぇ!!」


部下たちは己の身に起こった事に騒ぎだした。


「あなたたちはこれから全身が凍結し、死ぬわ。生きたまま凍らされる、痛み、恐怖に耐えながら生まれてきたことを後悔しなさい。」


数十名の男がヨルさん、ララ、アーサーを取り囲む。


「アーくん、ララがいいよって言うまで目瞑ってて。」


「うん」


「嬢ちゃん、悪いことは言わねえから、おとなしくしな。そうすれば楽に殺してやるよ!」


「.....ララだって怒ってるの!ララの大事なアーくんを、よくも!よくも!!」


ララは激しい怒りをあらわにしてそう叫んだ。


しゅよ。我の怒りを体現せよ、彼の者等を苦しませ平伏させよ。創撃呪文!定められた死ゴルゴン・アイズ。」


ララの周りにいた男たちはあっという間に石となり死を迎えた。


「ひっ、なんだあのガキ!?化けもんじゃねえか!?逃げろぉ!!」



逃げようとする男たちの前にヨルさんが立ちはだかる。


「アーサー様の恐怖を思い知れ。屑ども」


ヨルさんがそう言うとヨルさんの右腕が肥大化し龍の手のようになった。


「ひぃぃ!」


男たちはその異形の手に恐れおののき気絶した。


ギルガメッシュはボスと呼ばれる男と対峙していた。


「赤い髪にその目つきの悪さ。そしてその身のこなし。お前、だろ?」


「どこでそれを知った?」


「どこって?どこでも聞けるだろ!お前の名は有名だぜ?伝説のSランク冒険者さんよ?依頼中に急に姿を消したっきりって聞いたけどな!」


「・・・。」


「まあ、いいかぁ、俺も腕には自信があるんだ。手合わせ頼むぜ!?俺の名は・・・」


「いやいい。貴様が誰であろうと、どこで何をしようが俺には興味がない。重要なのは貴様が俺の敵であるということだ。」


「死ね!!!」


男は短剣をギルガメッシュの胸部に突き刺した。


「ハッハハ!!血濡れの狂犬破れたり!!。」


「くたばれ」


男はその言葉の意味を理解する間もなくギルガメッシュにより気絶させられた。


「よし一件落着だな!」


こうしてアーサー誘拐事件は幕を閉じたのであった。








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