第4話 お祭りとおおまかな旅程について!
日程が決まったのでつらつらと書き並べて行こうと思う。
まずその前に、話すと言っていたお祭りについて。
島根県を調べるために図書館に行き、読んだ本に載ってあったお祭り一覧。それを見て閃いた私はお祭りに行こう! 夏だし! と決心した。……はいいものの、そう思った原因であるところの船通山宣揚祭は今年開催されるかどうかわからない。
ということで、ちらちらと他のお祭りを探し始めた。しかし、私が求めていたような神楽舞をするものはあまりやっていなかった。
というのも、神楽とは豊作・豊漁を願うためにやるものであり、およそ秋に行われるものだからだ。もちろん四季構わずやってはいるのだが、十月頃により多く開催されている。
島根県では石見神楽が令和元年に日本遺産として登録されており、探せば定期公演はいくらでもやっている。だがしかし、だかしかし、と二度言おう。
私が見たいのは人混みでごった返す中、調子が人々を酩酊に誘いながら、視線だけはその非日常に釘付けされるようなものである。つまりはホールで行われ、席に座って歓声を漏らしながら見たいわけではないのである。
いや、それを否定するつもりは毛頭ない。これはただの私のこだわり、というか望む状況のことを言っているだけである。
つまりはそうした、その場全体が異様な空気感に包まれるその瞬間を感じたい。となれば、夏祭りという身近な非日常の場で行われる神楽はまさに、私のそうした望みを叶えてくれるぴったしの答えなのである。
そんなことを考えながら探していると、鷺舞、という単語が目に飛び込んできた。鷺舞とは八坂神社の祇園祭に奉納されたものであり、七夕伝説に端を発するものとされている。これは日本の重要無形民族文化財に指定されている。
いいじゃないか! とワクワク気分の私がホームページを調べてみると、今年は七月の二十日、二十七日に行われるらしいのである。読んでくださっている皆様のためにも、出来るだけ早く旅に行ったことを書きたいので、この日程はまさに僥倖といえるものであった。しかし、これらは水曜日なのである。
私の通う大学はゼミ以外はオンラインで授業が行われる。つまり週一でしか大学に行かなくともよいのだ。色々ともったいないが、しかし四回生であるため授業もあまりない。そんなわけで、ふらりと一人旅に行くのにも都合がよいため、今この計画を考えているわけだが、一つ問題があった。
そう、唯一学校に行かなければならない曜日が水曜日なのである。さすがに休むわけにはいかない、と思っていたのだが、前回のゼミで先生がこういった。
「七月二十日で今期のゼミは終わりです」
つまり……!? 七月二十七日は、休みなのである。これはまさに天啓。神の思召。私は基本的に神様などは信じていないが、オカルトは好きだ。なんともまあ都合がよい。これは行け、ということに相違あるまい。さらに宣揚祭はその次の日、二十八日に奉納されるのである。もしやっているのならば、連続で見たいものが見れる。ただ一回の旅行でだ! これは素晴らしい。行かない理由がない。
というわけで、元々やりたかったぶらり途中下車の旅もやるために、七月二十六日を出発日とし、二十八日を帰宅とすることに決めた。細かい旅程はまだ詰めていないが、おおまかな目的地などはもう決まった。ならば大体完成したようなものである。
更に言えば、ぶらり途中下車の旅も、まあ移動時に適当な駅で降りるか、と考えていたのだが、島根県には一畑電車というものが存在しているのである。
調べてみれば、これまた私が求めているような風景を見ることができる電車なのである。
海かと見まごう宍道湖沿いを走り、黄金色の穂実る大海を車窓から一望できる。さらに素晴らしいところは、それらの風景をなんの障害も無しにゼロ距離で見ることが出来る点である。
さらにさらに、松江市から出雲大社前まで直通となっているのであった。私が島根県へと赴く方法は、高速バスで松江市に下車、というものを考えていた。良い、コスパ……!
一日目は出雲大社へ向かおうと考えた。昼の高速便なので、到着は一時前である。出雲大社の帰り、夕暮れ時の田舎道を散歩する……。なんと素晴らしい情景だろうか。この素晴らしい情景を見事に描写した小説も書いているので、良ければそちらも読んで頂きたい(唐突な宣伝)。
つまり、おおまかな旅程はこうである。
七月二十六日
松江市着。一畑電車に乗り、出雲大社へ。帰り路の一畑電車で夕暮れの中ぶらり途中下車の旅。
二十七日
鷺舞を見る。その他なんやかんや。
二十八日
今年も開催されるのであれば船通山宣揚祭、やっていなければ帰宅の高速バスまで時間つぶしなんやかんや。
ううん、見事に行き当たりばったり旅! しかし一人旅のよいところでもある。その場その場で適宜目的地を決め、満足の行く旅にする。こういうのでいいんだよ、という訳である。
さて、今回はこのくらいとしておこう。
旅まではまだ日がある。準備や、より細かなスケジュールを載せに戻ってこようと思う。
どうか、私の旅を一緒に楽しんでいってほしい。
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