縁
世間ではシャンプーをしているとき視線を感じるらしい。他にも後ろから視線を感じるだとか、そういう時は上に霊がいるだとか。それも私にとっては「らしい」の分類に入る。あとは襖の間とかカーテンの隙間だとかから視線を感じるというのも聞いたことがある。これはなんとなくわかる。じっとこちらをうかがっているのだ。直線のその先からこちらを、虎視眈々と。
私はホラー映画だとか怪談話が好きでよく嗜むのだが、映画館に行けなかったときは有料の動画配信を活用したりしてパソコンの小さなディスプレイで楽しむのだ。画面をじっと見つめ、暗い画面の中で怪異が起こる様に集中する。はたまた、恐怖の文字の羅列を追っているときでも良い。画面を見たままふと集中が途切れ、意識が画面の外に向いた時が私は一番恐ろしい。
画面の縁、真っ直ぐな線の向こう側から血の気のない指がこちら側へ侵食してくるような気がしてならないのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます