努力

そんな本性を持つ私だったが、勉強の才しかないために孤立するタイプではなかった。

周りが自分より努力していることを知っていたため、人をバカにすることなど絶対にしなかったからである。

そんなとき私はこの言葉を耳にした。「努力することも才能である」という言葉を。

その時から、いやそれよりも前から気づいていたがわたしには努力する才能などなかったのである。

しかしこれは仕方のないことなのだ。

働かなくとも裕福に暮らせるほどのお金が手に入るのなら誰だって働こうとは思わない。子供から大人までそれは同じ。もとより才能という財産があった私には勉強など必要なかったのだ。


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