第42話 僕だってね……キレるんですよ!!
※火事の表現があります。ご注意ください。
焼き菓子の山………甘い甘い焼き菓子の山……。
食べても食べても減らない……。
もう食べれない………。
〝ペシ!〟〝ペシ!!〟〝ペシ!!!〟
こらこら……体当たりしてくるな〜。
そんなことしても食べれないよ〜。
〝ペシン!〟〝ペシン!!〟〝ペシン!!!〟
痛! 痛い! おい!! 痛いって………いい加減にしろ!!
「ぬぼぉ! ぬぅぼぉ!!」
って、ドラゴさん? ………あれ? 僕……寝てた? ここは……宿屋かどっかかな?
「ぬぼぉ! ぬぼぉ!!!」
〝ペシ!〟〝ペシ!!〟〝ペシ!!!〟
痛い! 痛いって!! どうしたの? トイレ? ………って痛い!!
ドラゴさんにしては珍しく……目に涙を溜めて叩いてくる……。
一体どうしたんだって言うんだ………?
とりあえず起き上がると……視界が曇っている………まだお酒が抜けて………って、違う!!
これ! 煙だ!!
否応無しに意識がはっきりする……。
僕はドラゴさんを抱き抱え廊下に出る………が、そこは一面の火の海だった。
まずい……まずい………とりあえず……ドラゴさんを逃さないと………。
そうしているうちにも……火が周り……逃げ場がなくなる………。
煙を吸いすぎたのか………頭がクラクラし……膝をついてしまう。
「ぬぅぼ〜!!!」
ごめんなさい………ドラゴさん……一人で………にげt…………。
僕は……再び意識を手放してしまうのだった…………。
▼▼▼
来世では彼女が欲しい!!
………。
…………目を覚まし、ガバリっと上半身を起こすと……知らない……森……で寝転んでいた……。
た、助かったのか………。
お腹の上にはドラゴさんが……スヤスヤと寝ている。
良かった……っと、僕はそっとドラゴさんの頭を撫でると……気持ちよさそうな寝顔になって……涎を垂らす………まぁ……いいけど………。
〝ガサガサ〟
草木が揺れる音がして、視線をそちらに向けると………美女が一人、こっちにやって来る。
僕はその美女を見たことがあった………。
………オーカ様?
「おう。起きたようじゃな。よかったのじゃ」
えっと………今の状況は………
「おぬしが泊まった宿屋が放火されて………死にそうだったところを妾が……妾の眷属が助けたのじゃ」
あ、あの………どうして助けてくれたのですか?
「その幼子は………妾と同様の存在なのじゃ。みすみす死なせるようなことはせんのじゃ」
そ、それは……ありがとうございます。
僕はペコリと頭を下げる………。
オーカ様は近づいて来ると………優しくドラゴさんの頭を撫でてくれた。
眠るドラゴさん……気持ちよさそうだ……。
………っで、ここは何処なんですか?
「ここは〝常夜の森〟の外層部と中層部の境くらいじゃ。滅多に人が来ないから、安心するといいのじゃ」
………えっと……何がどうなっているんですか?
「簡単に言うと………隣国がおぬしを狙っているじゃ。っで、焼き殺そうとしたのじゃな………幸い、その火事でおぬしは死んだと思われておるのじゃ。これからは自由に動ける………やり返すなら、手を貸してやるのじゃ」
………犯人……隣国ですか……。
〝ぶちり!!!〟
僕の中で何かが切れる音がした………。
僕だって何時迄も黙っているわけではない……。
3日に渡る暗殺未遂………オーケー! オーケー!! 売られた喧嘩は買いましょう!!
嬉しいことに……オーカ様が手伝ってくれることになった。
なので、とことんやってやることにしたのだった。
待ってろ! 隣国!!
▼▼▼
「ところで……ルークとやら、妾は〝オウカ〟じゃ」
はい? オーカ?
「〝オウカ〟じゃ………」
オーカ……?
………
…………
……………
「〝オウカ〟!!」
オーカ!!
〝バチン〟
痛い!! なんで!!
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