第40話 目利きのドラゴさん


こんにちは。

ルークです。


色々ありましたが………無事に王都の冒険者ギルドへやってきました。

注目されるけど……無視です。

こちらは疲れているのです……。

とりあえず、依頼ボードへ……。


………。

…………。

……………おぉ〜!! ホームタウンの冒険者ギルドと違って、めっちゃ依頼がある!!


っとは言え、まだ僕にできるクエストは……〝薬草採取〟のみ……ははは!

冒険者だからね!

そんな中、2枚の依頼票に目が止まる。


『〝マンドラゴラ〟の採取。 報酬:金貨10枚〜 依頼主:魔術師ギルド王都支部 備考:薬師ギルドより高額出します。』


『〝マンドラゴラ〟求む。 報酬:金貨10枚〜 依頼主:薬師ギルド王都支部 備考:金は出します!! 魔術師ギルドに売るなら、薬師ギルドに!!』


まぁ……お約束ですわ………。

それにしても……倍額以上ですか……これは美味しい……。


早速、この2枚を持ってカウンターへ。

王都のギルドの受付嬢は………何処のカウンターに行こうか迷うほど……レベルが高かった。

そう…………レベルが高かった大事なことなので二度言いました

とりあえず、一番空いているカウンターへ。



………依頼発注ですか? ………いえ、依頼受注です。


………農業ギルドは5軒隣です? ………いや! 僕冒険者!! って、農業ギルドあるの!?


………。

…………。

……………受ける依頼? ………この〝マンドラゴラ〟の依頼2件です。


依頼書と一緒に〝マンドラゴラ〟4株を召喚して渡す。

それぞれ……2株ずつだ。


………あぁ〜! 〝マンドラゴラ〟農家さんだったんですね? ………じゃない!! そんな農家いるか!! ………はぁはぁはぁ……はぁ……。


とりあえず、金貨40枚で〝マンドラゴラ〟を引き渡し、冒険者ギルドでの要件は終了。

大きいだけで……あまり変わらなかったので………見るものも特には無かった。



▼▼▼



冒険者ギルド建屋を出て、再度街をぶらつく。

すると……ある建屋に目が行く………そこには、〝農業ギルド〟とデカデカ書かれた看板があった。


えっ? 入らないよ………農家さんじゃないんだk…………はい? ちょ! ちょっと!! ドラゴさん!!


突然、ドラゴさんが腕から飛び降りると………〝農業ギルド〟建屋の中へと走っていく。

僕は慌てて追いかけて建屋に入るが………ドラゴさんの姿が見えない。


ど、どこ行った!?

建屋内を見渡すが………ドラゴさんが見つからない………。

どうしたもんか……流石に大声で呼ぶのは………恥ずかしすぎる……。

途方に暮れていると、冒険者ギルドでいう受付カウンターみたいなところの傍から、どよめきが起きた。


そこには………ご老人達の人だかりができていたのだが……っていた!!


その集団の中に……ドラゴさんの姿がチラチラと見えた。

僕は慌ててその集団に飛び込んで………人をかき分け最前列へ出たのだが………そこはどうやら売店らしく………色々な農具、種、土………そしてが置いてあった……。



ばりばり………もぐもぐ……ごっくん。

ぐびぐび………ごくごく……ぷはぁ〜。


っで、何してるんです? ドラゴさん? ………はい? いい肥料が揃っている?



ドラゴさん……店員のお爺さんから、肥料を貰い……堪能していたのだ。

ただ、凄いのは………流石は〝農業ギルド〟、集まっていた人たちは皆農業に従事している人達………ドラゴさんを一発で人ではないと見抜いたみたいだ。

普通なら幼女が肥料を強請ってもあげないが………〝植物系の何か〟と見抜いたので、肥料の試食会を始めたんだって………。


どうやら……ドラゴさんはグルメ家らしく………高価、高効果の肥料ばかりを強請ったそうだ………。

その目利きに農家の皆さんも脱帽………って、もう好きにしてください。

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