第17話 謝罪という名の……暴力……


こんばんは。

逃走中のルークです。


無事に冒険者ギルドへ到着。



「アンデット!! 撃退!!」



はい?

冒険者ギルド建屋に入るのと同時に、受付のお姉さんが叫んだ……。



〝バシャ!!!〟

〝ベシャ!!〟


「「ターンアンデット!!」」



近くに居た神官職のみなさんから………問答無用に聖水をぶっかけられ………冷たい思いをし、光魔法をいただき………眩しさに目をしばしばとさせていると、なんとか生きていることが確認され………速攻で拘束!!


連れこまれたのはギルド長室。

何故に!? ………そんな疑問も無視され……厳ついおっさん(ギルドマスター)の前に導かれ、事情聴取と現状の説明が開始。


………うん……はぁ………はい!?


今まで? ………魔術師ギルドと薬師ギルドに捕まってました……。


何された? ………マンドラゴラの定期供給をさせられてました……。


街の状況? ………よく分かってません……すみません……。


僕の争奪戦? ………大変なことになっていたみたいですね………。


憲兵も動いてる? ………僕に言われても………。


街って言ってたけど………ここ領都だったんだって……。

領主配下憲兵も動いているそうだ………。

とは言え、僕に原因があるわけでないから……しばらく冒険者ギルドで匿ってもらうことになったのだ。


そして翌日、食事と寝床のランクは下がりましたが………身の危険を感じずにゆっくりと睡眠が取れました。

流石に……冒険者ギルドには襲撃はなかった。


貸してもらった部屋を出ると、職員に案内されギルドマスターと改めて面会。改めて昨日の話をする。


面会しに行く? 誰と? ………領主さま………拒否は………できませんか………。


いつですか? ………今から!?

………改めて後日じゃ………ダメ!?

えぇぇぇぇ〜!!


えぇぇぇぇ〜じゃない? じゃぁ、ゲェェェ〜!

痛い! 叩かなくても………。


ぐぬぬぬぬ………了解です。

準備をしてきます。


※※※


やってきました……領主の館。

もちろん、冒険者ギルドのギルド長も一緒。

話が通っていたのか、すぐに一室へ案内された。


そこでは………ソファーに座るお髭が立派なおじさんと、その足下で土下座する男女。

うん……僕はこの男女を知ってる………そう、魔術師ギルドと薬師ギルドのギルド長達だ。


僕と冒険者ギルド長は、お髭が立派なおじさん………こと領主様と対面のソファーに座る。

魔術師ギルドと薬師ギルドのギルド長達は、未だに土下座をしている。


最初に口を開いたのは領主様。



「お前がルークか?」


「はい」


「今回は………このバカ共のせいで迷惑をかけた」



の所で、土下座の二人の身体がビクリと跳ねた。



「とは言え、二つのギルドは………この街では必要でな……もう迷惑をかけさせない。だから許せ。それから悪いが定期的に……マンドラゴラを提供してくれ。言い値でいい。」



貴族様の背一杯の譲歩と謝罪………ある意味、断れない暴力だ………。

断る際は……良くて街、悪くて国を出るしかない………ここが妥協点だな………まだ街を出れるほどお金持ってないし……。


何より………僕の足下で 「「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛」」 って土下座で謝る二人がうざい……。



「わかりました。二度と拉致されないので有れば………週に二度1株づつ……冒険者ギルドへマンドラゴラを卸します。冒険者ギルド長………価格等……頼んでもいいですか?」


「仕方ない………か。わかった」



冒険者ギルド長が渋々といった感じで頷く。



「なら、話はこれで終わりだ。二人は帰っていいぞ。私は………もう少し、このバカ共と話がある」



あぁ〜まだまだ説教をされるのね………まぁ、ざまぁって感じかな……。

僕としても、もう襲われなければいいし………。


こうして、この一件は終了。

僕と冒険者ギルド長は、領主の館を後にしたのだった。


追伸:帰り道、ドラゴさんに頼まれて新しい計量カップを購入したのだった……。

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