突撃! 隣のマンドラゴラさん 〜さぁ、ご唱和ください! 1、2、3、ぬぼぉぉぉぉぉ!!〜

同瀬馬野抱枕

第1話 旅に出よう。


皆さんこんにちは。

ルークです。

ホポポ村に住む、木こりの息子です。


今日は待ちに待ったスキル授与式。

この日から、僕は英雄になって皆からチヤホヤされる!!

さぁ! 来い!! 英雄系のスキル!!



「お前さんのスキルは………ま、〝マンドラゴラ〟じゃ………」



はい?

………何言ってるんですか……司祭様?


……。

………。

…………ほらほら……見てください。

周りもシーンってしてますよ………。


後ろにいる村人を見ると……全員ポカーンと口を開けている……。


司祭様も茶目っ気があるんだから……。

冗談はさておき……さぁ、本当のスキルを!!



「………………」



何故に無言!?

あれ……あれれ……本当に僕のスキルって〝マンドラゴラ〟?

ち、ちなみに………司祭様………〝マンドラゴラ〟って何ができるんですか?



「……………」



司祭様?



「……………じゃ」



聞こえないんですけど………司祭様………。



「それぐらい! 自分で考えるのじゃ!!」



えぇ………怒られた! なんか理不尽!!

さっさと祭壇から降りろと……わかりました………。


なんか皆んなびみょ〜な雰囲気になってるんだけど…………。


とりあえず、広間の後ろの方で座って儀式の終了を待つ。


その後、結局ウチの村からは………勇者も賢者も剣聖も生まれなかった………。

一番いいスキルで〝剣士〟だった。

それでも………僕の〝マンドラゴラ〟以上に奇抜と思われるスキルは誕生しなかったのだった。


▼▼▼


行きとは違い……トボトボと歩いて家に帰る……。


ただいま〜。 ………父さん。



「スキルは?」



はい……スキルですね。

必要以上の会話が無いのはいつものことだ……。


〝マンドラゴラ〟でした…………。



「なんだそれ?」



っと言われましても………僕もわかりません………。

僕が誰かに聞きたいです………。


〝バチン!!〟


いきなりの衝撃に……倒れ込んでしまう。


痛い! …………すみません。 最低限の〝農業〟ですらありませんでした。


そこから続く父親からの罵詈雑言………。


いつものこと……今更なんとも思わない……。


はい………はい………返す言葉もありません。

その通りです………農家の道も閉ざされました。



「出て行け!」


………そうですよね………こんな穀潰しいらないですよね………。


以前いただいた鎌と母の形見……だけはもらっていいですか………?

餞別………ありがとうございます。


12年間………お世話になりました。


僕は頭を下げて、少ない荷物を持って家を出る。

日が沈み……暗くなった村。

僕はそっと実家を出て……村を後にするのだった。



⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘⌘

※こちらもよろしくお願いします。


それ行け! 僕らのトレント団!!〜某国王子がもらったスキルは〝植林〟でした。まぁ、普通に追放だよね(笑)〜


https://kakuyomu.jp/works/16816700427598285266

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