116-3

「騎士や商人が結構出入りしてるでしょう?そのせいみたいね」

「冒険者も一役買ってるみたいだしな」

口々に飛び出す言葉に呆然としてしまった

でも嬉しい気持ちは溢れてくるもので…


「自分が楽しんでるだけなんだけどね。でもそれが皆の為になるなら嬉しいわ」

「それじゃぁ今日は皆と楽しみましょう」

カメリアがそう言うと皆が頷いた

扉を開けて開店を伝えると順に思い思いの席に座っていく


「一度に取るのは9個まで。その後はお皿の交換です」

順にお皿を渡しながら説明する


「ねぇ、今日出てる商品を今度リクエストして作ってもらうことは出来る?」

「もちろんです。その時は3日前までに注文してください」

今でもリクエストは結構な頻度で入る

特に屋台の商品が多いかもしれない

週に1回しか屋台には出てないということで、自分の希望するタイミングでそれなりの量を確保するのは難しいかららしい

屋台で残ったものはこの店に運ばれてくることも広まってるけど、それだと数が足りないこともあるそうだ

今では屋台商品専用の注文用紙をカフェと屋台それぞれに置いてある

担当が違っても情報はちゃんと伝わると広まってるおかげでその利用率も結構高いのだ


「ひょっとして屋台で出すのも時々変わったりするのかしら?」

「そうですね。今日の印象を参考にそういう日を設けるのも有だとは思ってます」

「屋台は元々商品固定でやってますから毎回変わると逆に戸惑われそうですからね」

「確かにそうね。あると思って買いに行ったら違うものになってたなんてちょっと悲しいかもしれないわ」

お客さんは苦笑する

変える

「だから変えるなら決まった日ですね。毎月決まった週をそう言う日に当てる感じかしら」

「それならいいかも。料理教室みたいに張り紙しといてもらえば問題ないものね」

お客さんは張り紙を結構見ているらしい


「このバイキングも定期的にしてくれるの?」

「一応そのつもりです。年に数回になるとは思いますけどね」

「…そうよね。流石に毎月なんて無理よねぇ」

その言葉には苦笑だけで返した

イベントは頻繁にするとすぐに飽きられるものね

数か月に1回程度で丁度いいはず

その辺りも含めて皆と相談になるだろうけど…


「やっと順番が回ってきたわ」

「エメル、マーシェリーも来てくれたのね?」

「当然でしょう?」

「私たちがこんな楽しそうなイベントを逃すわけないじゃない」

2人は何を今さら?とでも言いたそうな顔で言う


「ありがとう。制限時間は90分。このランプが消えたら時間だからね」

「可愛い魔道具ね!」

「私も欲しくなっちゃうわ」

魔道具は武骨なものが多い

インテリアとして使えるようなものはごく僅かだろう

これは職人の勧誘を頑張らないといけないかしら?

「一度にテーブルに持ってこれるのは9個まで。おかわりはお皿の交換になるからそのつもりでね」

簡単な説明だけして店内を見て回る

そこら中で笑顔がこぼれている空間にこっち迄嬉しくなったのは言うまでもない

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