106-2

「決まったと言っても当選しないと教えてもらえないけどね…」

「そこはほら、当選した人に教えてもらえるように仲間内で話を付けておけば…」

「確かにそうね。仲間内の誰かが当選すればいいってことなら気分は楽になるわ」

その辺りは自由にしてもらおう


***

料理教室のご案内

申込期間:毎月2週目 火の日OPEN~光の日CLOSEまで

開催日:毎月3週目 水の日 午前・午後の2部開催

定員:各回8名(計16名)申込者多数の場合は抽選

費用:1,500シア~2,500シア メニューにより変動

持ち物:包丁・まな板・エプロン・タオル


申し込み方法:申込用紙に記入の上申し込みBOXに!

参加者発表方法:3週目 火の日OPEN時に貼り出し(スイーツ屋台でも確認可)


第1回 8の月 サンドイッチ 1,500シア

第2回 9の月 おにぎり 1,500シア

第3回 10の月 フライドポテト&オニオンリング 1,500シア

***


「こんな感じ?」

その場でイラスト入りのPOPを作ってみた

カフェは少し離れた場所にあるからカプシーヌ達にもちょっと協力してもらおう

当選してもしなくても、その月のレシピを渡すのを対価にすれば問題ないだろう


「屋台でも確認できるなら助かるわ」

「4回目以降は後日公開?」

「そのつもり。ついでに申し込みBOXと別に希望BOXでも作ろうかと思って」

「希望BOX?」

「教えて欲しいものの希望。多いものを優先してもいいかと思って」

「私いっぱいあるわ」

「私も!」

この反応は逆に怖い気もするけど考えないことにした


使いまわしできる形式の申し込み用紙と希望用紙、それ用のBOXなどの準備、カプシーヌ達との交渉などを着々と進めた結果、第1回の申し込み者は30を超えていた

「こんなにお客様いたっけ?」

「申込用紙持って帰って配ってるのもいたな」

「なるほど。それを回収してまとめて応募した感じか

仲間内で~って言うのはこういう意味だったらしい

今回、発案者のカプシーヌとエレノアは当選とさせてもらう


「残りの14人はどうやって選ぶの?」

「そうね…あなた達に協力してもらおうかしら」

「僕たち?」

コルザたちは首をかしげる


「3人でこの中から順に1枚ずつ選んでもらうのよ」

そう言うと3人は顔を輝かせた


「リラからね」

「はーい」

リラは1枚引いて渡してくれる

午後を希望の女性だった

その用紙を右端に置く


「次はロベリね」

「うん」

同じく午後を希望の女性なのでさっきの用紙から少しずらす様に重ねておいた


「次は僕!」

午前午後どちらでもいい女性

これは真ん中に置く

その後も順に引いてもらって午前希望は左、午後希望は右、不問は真ん中に重ねていく


「最後!」

不問の女性

当選確率を上げるためかよっぽどでない限り午前・午後の指定をしない人が多かった

正直助かる


「ありがとう3人共」

「楽しかった」

「来月も出来る?」

「そうね。あなた達がいいならお願いしようかしら」

「「「うん!」」」

3人共気に入ったらしい


「当選を左右するのがうちの子だって知ったらちょっとした騒ぎになりそうだけど…」

「大丈夫よ。無理にお願いされても中が見えない状態で引いてるだけだもの」

「それは知られてもいいの?」

「問題ないわ。ある意味一番平等だと思うし」

「コルザなんて滅茶苦茶かき回しながら選んでるもんな」

ブラシュが苦笑しながら言う

最後の方はロベリとリラも真似して混ぜまくってたからまとめて入れただろう分もバラバラになっていることだろう

ちなみに希望用紙はロキが暇なときに集計してくれている


「名前全部書くの?」

「そうよ。この人たちが料理教室に参加する人たちだからね」

午前と午後に分けて名前を書いていく

それを2枚作れば完成だ


前の週に魔道具の簡易水道とコンロは購入済みだ

料理教室以外にもキャンプやピクニックでも使えるだろうからと5つずつ揃えた


パンは四角いノーマルなトースト用のパンと、柔らかい紡錘形で、片手で持てるサイズの底が平たいパン、紡錘形で少し硬めの80cm程の長いパンの3種類を用意してある

自分で焼いたものだけど商店街のパン屋さんでも売ってるものばかりだ

野菜はウーの作ったレタスやキュウリ、トマトを使う


フルーツサンドに使う生クリームは商店街で買える市販品を使うことにした

作った方がおいしいけどお手軽さを考えると市販品に勝るものはない

他にもハムやチーズも準備した

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る