101-2

「あ、ロキも食べる?」

「何?」

「オニオンリング」

「食う」

そう答えて開かれた口に放り込む


「ん。うまい。ちょっと置いといてくれ」

「わかった」

小皿に少し取り分けてロキの前に置く

大皿に盛った分は勿論ダビア達の分


「お待たせ―。揚げ物だよ」

「やっと来たか。何の揚げ物?」

「オニオンリングとフライドポテト、鶏とタコの唐揚げ」

4つの大皿をテーブルの空いた場所に置く

同時に空いてる皿を全て回収した


「オリビエの料理すっごく美味しい」

「ありがと~」

「ねぇ、今度教えてくれない?」

エレノアが食い気味で聞いてくる


「あ、私も教えて欲しいな。フェイに美味しいごはん作ってあげたいし」

カプシーヌが便乗した


「料理ねぇ…私のは基本創作料理だよ?」

「それがいいのよ!」

「オリビエ、どうせならカフェの休みの日とかに定期的に開催してよ。最初は簡単なのからでいいから!」

「え~?!」

それは流石にいきすぎでは?


「それは人気でそうだな」

「言えてる。タマリが食いつきそうだ」

ダビアの言葉にフロックスがかぶせるように言った


「タマリが出て来たら町の催しになるじゃない…それは流石に勘弁して?」

「じゃぁカフェで手をうつわ」

「…開催は決定なのね?」

「「もちろん」」

即答する二人に、この二人なら確実に人を集めてきそうだとも思う


「ん~じゃぁとりあえずお試しでやってみる?」

これは勢いに押された感じ

楽しそうだからいいんだけどね


「そう言えばここに来たことのある騎士達が、外の席でランチを食べれたらいいのにって言ってたんだけど」

「ここ?」

テラスコーナーは今のところ、サイドメニューやテイクアウトした物を食べることは出来るけど、日替わりランチの提供はしていない


「あぁ、それは何かわかるな」

ダビアとフロックス、フェイがウンウンと頷いた


「何で?」

「俺ら体がでかいから店の中はちょっと窮屈な感じがするんだよな」

「それに基本外で訓練で訓練してるだろ?服も汚れてることが多いし、店内の綺麗な椅子はちょっと気が引ける」

多少汚れても生活魔法で綺麗に出来るけどそういう問題じゃないんだろうね


「友達が子供連れてると店内は申し訳なく感じるって言ってた。子どもはどうしても騒ぐから」

「建物の中って騒いじゃダメって感じがあるもんね」

皆の言葉になるほどと思う


「…そろそろ席数増やそうと思ってたからテラス席で考えてみようかな」

「何なら夜もやってくれてもいいぞ。ドリンクは酒で」

「それは遠慮しとく。流石に体がもたないわ」

「残念だな」

「残念だろうと何だろうと夜はさせない」

断固拒否したのはロキだった


「クロキュス…ここでお前が出て来るか?」

「料理教室とテラス席は認めてやるが夜は絶対に認めない」

「何でだよ?」

「俺との時間が減る」

「~~~ロキ!」

ここでそれを断言しないで…


「今回みたいに前もって予約制ならたまには認めてやるよ。行くぞオリビエ」

「え?でも…」

「料理はもう全部出したんだろ?」

「ま、まぁ…」

揚げ物を出したからもうこれ以上出すものは無いけど…


「じゃぁお前の役目は終わり。ダビア、フロックス、お前らで片付けしとけよ」

「げ、マジかよ」

「片付いてなかったら次は認めないからな」

そう言い切るロキに促されて私たちはカフェを後にした

因みにダビア達は明け方まで飲んでたらしいけど、ちゃんと片付けはされていた

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