94-2
「マロニエ」
「何?」
「せっかくだからローズたちも呼んじゃいなさいよ」
「は?」
カメリアが爆弾を投下した
いきなり自分に矛先が向いたマロニエは、口に運ぼうとしていたおかずを落としてしまった
「カメリアいいこと言うわ。アカシアたちが喜ぶわよね。出会いがないーっていつも唸ってるから」
「でしょう?騎士さん達ばかりじゃむさ苦しいし花は必要よね」
「ならサッパリした肉も必要か?」
「フロックス流石ねぇ」
カメリアに言われてフロックスは照れたように顔をそらした
「ふふ…じゃぁサッパリした肉もお願いね。あの子たちにはランから伝えてもらうわ」
今朝やってくるのはランなのでその時に伝えれば十分間に合うはずだ
「さぁ、今日は忙しくなるわよ。カフェしながら準備だからね」
「俺達も手伝うぞ」
「ありがとう。ジョン達は庭の準備をお願いね」
「そうだな…小屋の作業台や椅子も出すか」
「3階の倉庫にあるのも出した方がよさそうだな。俺が後で降ろしとくよ」
人数を考えればそれだけでも足りないかもしれない
「私のも後で出しに行くね」
「まだ持ってるのか?」
「少しだけね」
私が答えるも皆の視線はロキに向く
「結構あるな」
インベントリの整理をした時に私の荷物をすべて見ているロキはボソッと呟くように言う
「そんなにないでしょ?」
「…お前の感覚がおかしい事をそろそろ自覚しようか」
「えー」
何となく理解はしてるけど納得はしたくない
「ま、どんだけおかしくても手放す気はないから安心しろ」
「出た。クロキュスの溺愛」
シュロがからかうように言うと皆が笑い出す
当のロキは以前の照れる様子はどこかへ消えたようで、だったら何だとでも言わんばかりに何事も無かったかのように構えている
居たたまれなくなった私は話題を逸らすことにした
「バーベキューのサイド料理、何か希望ある?」
「サンドイッチ!パンの固いヤツ!」
「プリン」
「フライドポテトと唐揚げ」
「サラダもいいな。生ハム入り」
「チーズだろう」
「フィッシュアンドチップスもいいな」
次々と意見が飛んでくる
それを順にメモしているとカメリアが側に来る
「私は揚げ物を引き受けるわね。子ども達に衣を手伝ってもらえば私は揚げるだけで済むから」
「確かにそうね。お願い」
「お手伝い?」
「そうよ。揚げ物の衣付け、出来る?」
「「「出来る」」」
「じゃぁお願いね。ウーは切るのを手伝ってくれる?」
「分かった」
ウーは大きく頷いた
「チビ達が手伝いするなら俺も食糧調達に行くかな」
皆でバーベキューの準備をするなら屋敷にいる必要は特にない
「ダビア達が肉を調達するならチーズだな。オリビエ、チーズはどこだった?」
「南の迷宮の26層」
「南は中級か。シュロ行けるか?」
「ああ。丁度いいから勝負しようぜ」
「面白そうだな。乗った」
2人はニヤリと笑う
「…大量のチーズが手に入りそうね」
26階層のチーズはかなり種類が豊富だったはず
2人が競い合うなら数も種類も相当たまりそうだわ
今度チーズフォンデュでもしようかしら
「ダビア、俺達も勝負だ」
「望むところだ。じゃぁ行ってくる」
フロックスの言葉にダビアだけでなくマロニエとシュロも食事を終えて出て行った
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