33-2
「とにかくきちんとお話ししたいからこの後時間いいかしら?」
「そりゃ構わんが…」
「よかった。じゃぁ一緒に来てもらえる?リラが見つかったことを早くカメリアに知らせないと…まだ探してると思うから」
「あ、あぁ…」
まくし立てる様に言うと勢いに押されたかのように頷いた
半ば無理矢理のような気もするけどこの際関係ない
いまの私がすべきことはカメリアにリラが見つかったと知らせることと、ナハマを逃さないこと、その2つなのだから
「ロキ」
「?」
「ネコって連れて帰ってから登録してもいいの?」
「まぁ…数日中なら問題ないと思うけど?」
「よし。じゃぁその子も連れて帰ろう」
「「いいの?」」
揃った声はコルザとリラだ
「ちゃんと面倒見てあげるって約束できる?」
「「できる!」」
即答だった
「ならいいわ。今日からその子は私たちの家族よ」
そう言うと2人は顔を見合わせて破顔した
ロキは少しあきれたような顔をしたものの特に反対はしなかった
きっとこの子たちが約束はちゃんと守るとわかっているからだろう
「よし、じゃぁカメリアたちを探しましょう」
「とりあえず商店街の通りを歩くぞ」
「「はーい」」
リラとコルザは猫を交代で抱きながら一緒に歩く
10分ほど歩いたとき正面からカメリアとロベリが歩いてくるのが見えた
「ママ!」
リラがいち早く気づき大きな声で呼ぶ
それに気づいた2人は駆け寄ってきた
「リラ…!」
カメリアはリラを抱きしめる
「よかった…一体どこに行ってたの…?」
「ネコさん」
「え…?」
「長屋の側に居付いていたこの子に会いに行ったみたいよ」
私はコルザの抱いている猫を指して言う
「ネコ…?」
カメリアはまさかの理由にキョトンとする
「すまん。この通りであった時に、猫に会いに行くというもんだから俺が付き添った」
「え?ナハマ?」
ロキの背後から現れたナハマにカメリアは目をパチパチと瞬かせていた
「まさか誰にも言わずに一人で来たとは思わなかったんだよ」
「え、えぇ…そうよね」
「とにかく無事で良かったわ。ね、カメリア」
肩をポンとたたくと頭が正常に働きだしたらしい
「そう…ね。ロキも一緒に探してくれたのね。ありがとう」
「いや」
「オリビエも。コルザに呼びに行ってもらってから迷惑だったかしらって思ったんだけど」
「馬鹿なこと言わないの。迷惑なはずないでしょう?」
「オリビエ…」
「とにかくリラは無事だった。誘拐でも無かったし良かったってことでいいじゃない」
私がそう言うとカメリアはホッとしたように表情を緩めた
「ママ、オリビエがネコさん飼っていいって」
「え?」
「せっかくだから連れて帰っちゃおうと思って。ナハマも」
「ええ?!」
状況に付いていけないカメリアを、コルザとロベリに引っ張ってもらい屋敷に帰ることにした
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