22-2
「2人も食べてみて」
一口サイズに切ったのを皿に入れてフォークを添えた
「あぁ」
ためらうダビアを横目にロキはあっさり口に入れる
「お、美味い。やっぱオリビエが勧めたものでまずいものは無いな」
「その絶対的な信頼はどこから来るんだか…」
本当にその通りだと思う
「いいから食ってみろよ」
ロキに促されダビアは恐る恐る口に運んだ
「ん。これは…美味い」
「だろ?」
「あの見た目でこれは予想外だな…」
ダビアは次から次へと口に入れていく
どうやらお気に召したようだ
「ねぇ、ダビア」
「何?」
「そのフロアってこれだけだった?」
迷宮の仕様からしてフロアで1種しか出ないとは考えにくい
きっと他にも出たと思うんだよね
「いや。他にも気持ち悪い見た目のはあったぞ。金になんねぇから持ってきてねぇけど」
まぁそうなるよね
用途不明で買取価格も低くて、荷物になるだけなら私も持ち帰らないと思うし
「どんなやつだった?」
「あ~ヒビみたいに網目が入ったヤツとか、毛が生えた赤いのとかは見たな。あとは鱗みたいのがある赤いヤツ?まさかあれも食い物とか…?」
ダビアが思い出しながら口にする
網目…は多分あれかな?
でも赤で毛や鱗があるって何だろう…?
スイカと同様、こっちで見ていない果物を思い浮かべるものの、記憶の中の情報とヒットするものがない
「それって何階にあった?」
「3階だったと思うけど…お前まさか…」
ダビアが最後まで言う前に私は口にした
「ロキ、明日迷宮行こう」
私の中ではもう決定事項になっていた
ロキは当然のように頷き、ダビアは呆れたように笑っていた
*****
ということで、私たちは目的の3階に足を踏み入れていた
1階と2階も勿論大量のドロップをゲットしたけど、めぼしいものは特になかった
初級だから仕方ないけどね
「木型のモンスターか」
まぁ予想できなくは無かったけど、様々な巨木がうごめいている状況は異様という一言に尽きる
自分の背丈の倍くらいはある巨木
倒した時に1個と言わず複数落としてほしいくらいだわ
実際、迷宮の外にこの木が存在してれば大量にGet出来るはずだもの
もっとも、迷宮の外に存在してるかは分かんないけど
「ざっと見て5種類ってことは、ドロップも5種類はあると見ていいのかな?」
「だろうな。ダビアが言ってたのは持ち帰ったの含めて4種類だったけど」
普通、上級に位置する冒険者が浅層で大量の敵を倒して回るとは考えにくい
進むうえで邪魔なものを倒しただけと考えるのが妥当だろう
「とりあえず片っ端からいっちゃおう。ドロップ見ればわかることだしね」
私はそう言うなり魔法を放つ
勿論ロキも同様に片っ端から倒していく
必ず目的の物をドロップしてくれるわけじゃないからそれなりの数を倒して、それなりの量を確保した
「ロキ!」
「もういいのか?」
「うん。階段で確認しよ」
「了解」
私もロキも目先に迫っていたのを倒してドロップを確保すると階段に向かった
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